ショカ社長
サノフィ・アベンティスのパトリック・ショカ社長は10日、都内で記者会見し、2008年度は抗血小板薬「プラビックス」をドライバーに、市場成長率を大幅に上回る二桁成長を達成したことから、「今後も二桁成長を維持し、5年以内には国内トップ5入りを目指したい」と方向性を語った。また、仏本社がグローバルでジェネリック医薬品(GE薬)企業の買収を活発化させる中、国内GE薬市場に参入する可能性について、ショカ氏は「あらゆる形のパートナーシップを考えたい」と述べ、成功条件が揃えば考慮する可能性を示唆した。
同社の08年度業績は、売上高が13%増の2360億円と二桁成長を達成し、国内10位入りを果たした。ショカ氏は「プラビックスの大幅な伸長をはじめ、製品ポートフォリオの質によって達成できた」と振り返り、特にプラビックスが08年度の国内医療用医薬品で、最も高い成長率を記録したと指摘。4月には、血液凝固阻止剤「クレキサン」を新投入したことから、血栓症領域の販売をさらに拡大させる方針を示した。
また、糖尿病領域では昨年6月に、持効型インスリン製剤「ランタス」のディスポーザブル型インスリンペン型注入器「ランタスソロスター」を発売して以降、ランタスの販売が加速。ショカ氏は「昨年は特にランタスソロスターが重要だった」と述べた。09年3月には、カートリッジ交換型ペン型注入器「イタンゴ」を発売したことに加え、超速効型インスリン製剤「アピドラ」の上市が予定されており、糖尿病領域の活動を一層強化していく考え。
その上で、ショカ氏は09年の目標として、二桁成長の維持、売上高倍増計画「ダブル・ザ・サイズ」の達成を挙げ、「このまま10%以上の二桁成長を維持し、5年以内に国内トップ5入りを目指したい」と述べ、成長ドライバーとしてプラビックスが牽引役を果たすとした。
一方、サノフィは、グローバルでジェネリック医薬品への攻勢を強めており、最近、チェコの大手GE薬メーカーのゼンティバ、メキシコのケンドリック、ブラジルのメドレーを相次いで買収した。こうした中、M&Aによる日本のGE薬市場への参入について、ショカ氏は「決してやさしい市場ではない」としながらも、「あらゆるパートナーシップを考えたい」と述べ、条件が揃った段階で考慮する可能性を示唆した。