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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】弥栄ゆう薬局(C.Medical)

2022年07月29日 (金)

投薬期間中フォローを充実‐在宅現場でも質の高い業務

ドライブスルー機能を備え、幅広い患者ニーズに対応する

ドライブスルー機能を備え、幅広い患者ニーズに対応する

 今年5月、京丹後市にオープンした弥栄ゆう薬局は、地域医療を担う薬局として存在感を高めるため、住民のニーズに幅広く応える様々な機能を設けている。店内に入りやすい開放的なオープンテラスや、車に乗ったまま薬を受け取れるドライブスルーを設置。薬剤師業務の推進に役立つC.Medicalのクラウド薬歴やオンライン支援システムを導入し、在宅医療現場での質の高い薬学的管理や、充実した投薬期間中のフォローを実践している。今後も機能を更新しながら、住民に支持される薬局のあり方を模索し続ける考えだ。

店内に入りやすい開放的なオープンテラスを設けた

店内に入りやすい開放的なオープンテラスを設けた

 京都府北部、日本海に突き出た丹後半島に広がる京丹後市。弥栄ゆう薬局は、京丹後市立弥栄病院(199床)が今年6月から院外処方箋の発行を開始するタイミングに合わせて、近隣に店を構えた。薬剤師4人、事務員6人の体制で、1日80枚前後の処方箋を応需している。

 京都府を中心に約100薬局を展開するゆう薬局グループの店舗の一つ。地域に密着した薬局事業を追求するグループの方針を反映して、京丹後市内では4店目となる弥栄ゆう薬局には様々な機能が盛り込まれた。

 その一つが、都会のカフェのようなオープンテラス。道路に面したテラスエリアには机と椅子が置かれ、店内外を隔てるガラス戸を開けておくことで、店内の広い待合室と一体になった開放的な空間を生み出せる。テラスエリアは、地元のパン屋や農家などが出店するイベントスペースとしても活用する考えで、地域の人が集まる場所にしたいという。

管理薬剤師の堀川氏

管理薬剤師の堀川氏

 丹後大宮ブロック長で弥栄ゆう薬局の管理薬剤師、堀川利治氏は「処方箋がなくても誰でも気軽に入ってもらえる薬局、何でも相談してもらえる薬局にしたい」と狙いを語る。

 もう一つが、ドライブスルー機能。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、人との接触を避ける傾向が強まった。高齢者にとっては病院から歩いて薬局に移動するのも負担になる。こうした背景から、車に乗ったまま処方箋を渡し、薬を受け取れるようにした。来局者の約半数がドライブスルーを活用しており、ニーズは高いという。

各種システムが業務支援

 ハード面に加えソフト面の充実にも力を入れている。薬剤師業務の推進に向けて、ゆう薬局グループのC.Medicalが現場の薬剤師目線で開発したクラウド薬歴「コネクトレポート」や、オンライン支援システム「コネクトオンライン」を導入。質の高い業務の推進に役立てている。

コネクトオンラインの処方箋送受信機能や投薬期間中のフォロー機能を使用している

コネクトオンラインの処方箋送受信機能や投薬期間中のフォロー機能を使用している

 コネクトレポートは、レセコンから吸い上げた患者情報や処方情報を、クラウド上の電子薬歴として携帯端末やノートパソコンでいつでもどこでも閲覧できるもの。

 役立つ場面の一つが在宅医療現場だ。医療インフラが脆弱なこの地域では、京丹後市立弥栄病院の医師が在宅医療も手がけており、医師の依頼を受けて同薬局の薬剤師が患者宅を訪問する機会も少なくない。その場ですぐ薬歴を見て患者の質問に回答したり、撮影した写真を共有し薬剤師間で必要事項を引き継いだりするなど、使い勝手が良いという。

 一方、コネクトオンラインは、患者のスマートフォンなどに入れてもらったアプリを通じて、処方箋画像の送受信やオンライン服薬指導、投薬期間中のフォローを行うもの。

 周辺地域にはオンライン診療を実施する医師が存在しないため、オンライン服薬指導機能を活用する機会は少ないが、処方箋画像の送受信機能を使う場面は増えつつある。

 堀川氏は「一包化が必要な90日処方など調剤に時間を要する高齢の患者や、小児の保護者など、後で薬を取りに来ることを希望する方は少なくない。そのニーズに応えられる」と話す。

 受信した処方箋画像をもとに薬を準備し、用意ができればアプリのメール機能で患者に連絡する。事前に一包化の印字希望を聴き取るなど、双方向のやりとりを行えるのもメリットという。

 投薬期間中のフォロー機能を活用する場面も増えている。薬剤師が各種テンプレートから質問文を選択したり、自ら作成したりして患者に送信し、アプリ上で回答を得て状況を確認する。

 堀川氏は「この機能は、電話をかけるほど緊急性はないものの確認したいことがある場合に使う。例えば、薬局窓口で丁寧に説明したがちゃんと服用できているか、副作用は出ていないかなどを確認したい時に使う」と語る。

 実際に、「だるくてつらいが、これは薬の副作用症状なのか」とバセドウ病患者から電話で相談を受け、薬の変更後のフォローに活用した事例があった。患者は同じような副作用が起こらないかと不安だったが、薬剤師がきめ細かくフォローすることで、服薬を継続できた。

 堀川氏は「薬剤師と常につながっていると安心してもらえたり、これがあるからいつでも気軽に相談できると思ってもらえたりするなど、この機能は患者さんの心の支えにもなるのではないか」と強調する。

 弥栄ゆう薬局の開設から数カ月。オープンテラスや広い待合室の活用に工夫を凝らしており、「地域の人々が触れ合えるオープンスペースが、たまたま薬局にあったというようにしたい」と堀川氏。地域社会に溶け込み共生する薬局を目指して、今後もチャレンジを続ける考えだ。

弥栄ゆう薬局(C.Medical)
https://www.c-medi.co.jp/connectonline/



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