
厚生労働省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」が9月29日に開かれ、日本医薬品卸売業連合会などから流通・薬価制度の課題を聞いた。薬卸連は「薬剤費抑制を大前提とした薬価改定が繰り返されている」と薬価引き下げが流通当事者の経営基盤を脆弱にしていると指摘。過度な薬価差偏在を解消する仕組みや、ガソリン代や電気代など急激な物価上昇でも適切なコスト転嫁が可能な柔軟な価格形成の仕組みを薬価制度に導入するよう求めた。2回にわたって行われた医薬品業界団体からのヒアリング結果を踏まえ、12日の検討会で改めて意見交換が行われる予定だ。
薬卸連の鈴木賢会長は、薬価改定のたびに薬価が下がる現行制度を見直す必要性に言及。薬価差については「市場実勢価加重平均方式による薬価算定ルールである限り、薬価差がゼロになることはない。医療機関や保険薬局などの取引先の属性によるバイイングパワーの違いで薬価差の偏在が起きている」と述べ、薬価差を得るために過度な交渉が行われる現状を問題視。地域や販路によって薬価差のバラツキが生じている中、適正な薬価差や流通コスト負担となるよう公平な償還価格の仕組みを要望した。
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