中外製薬は今月から、患者の声を取り入れた創薬研究を試行的に始めた。これまでも臨床開発、市販後に患者視点を取り入れてきたが、研究開発が進行してからでは、患者が望む剤形や投与法を変更するのは難しいことから、研究開発早期から患者ニーズを反映していく必要があると判断した。8日に開催したESG説明会で執行役員の大内香メディカルアフェアーズ本部長は、「研究早期の段階から患者視点の情報も踏まえて創薬を進めることがイノベーティブな創薬である」と取り組みの意義を説明した。
新薬研究開発の早期段階から患者の声を生かす取り組みは、製薬業界で広がり始めている。武田薬品と第一三共は9月、「非臨床研究段階からの創薬活動におけるペイシェント・エンゲージメントのためのガイドブック(改訂第2版)」を作成し、一般公開した。他の企業でも患者との対話を事業に生かす動きがある。
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