日本新薬は、ラボファーム(本社カナダケベック州)が開発した経口持続性鎮痛剤「トラマドール塩酸塩1日1回製剤」について、日本における独占的な開発販売権を取得するライセンス契約を、ラボファームヨーロッパと締結した。
癌性疼痛を適応症に、2010年度中に国内で第I相臨床試験を開始する計画。臨床開発が順調に進展すれば、発売は17年頃になる見通しだ。
同剤は、ラボファーム独自の薬物放出制御技術によって、トラマドールの1日1回投与を実現したもの。中等度から中高度の痛みに対する非麻薬性の鎮痛剤として、欧米など世界17カ国で発売されている。
日本新薬は、販売中のトラマドール注射剤「トラマール注」に加え、同成分の経口剤「NS‐315」を、癌性疼痛を適応症として08年7月に承認申請している。速放性製剤で1日4回服用するタイプ。発売は今年度中頃の見込みだ。
製剤特性が異なる1日1回製剤の導入は、癌性疼痛に対する治療選択肢を増やすことにつながる。
1日1回製剤は当面、癌性疼痛を対象に臨床開発を進めるが、将来的には、非癌性疼痛に対しても適応を拡大していきたい考えだ。