33成分324品目を調査
厚生労働省が公表した後発品品質確保対策事業の2010年度検査報告書で、炭酸リチウム錠200mgの2品目と、トコフェロールニコチン酸100mgカプセルの1品目が、承認書に定める溶出規格に適合しないロットがあったことが分かった。いずれも後発品で、既に製造販売業者が自主回収など必要な措置をとっている(表参照[PDF])
この事業は、「後発医薬品の安全使用促進アクションプログラム」に基づいて08年度に始まった。後発品に対する不信感を払拭することを目的に、国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所、都道府県が協力して実施している。
毎年30成分ほどを取り上げており、10年度は33成分を対象に、後発品247品目と、参照とする先発品77品目の計324品目について、市場流通品を入手して品質を確認した。
その結果、溶出試験を行った28成分249品目のうち、全星薬品工業の炭酸リチウム錠200「ヨシトミ」、共和薬品工業の同200mg「アメル」、日医工のニチEネートカプセル100mgが不適合だった。炭酸リチウムの2品目は、ともに溶出が規格値より遅く、原因が特定できないため昨年11月から全ロットを回収。ニチEネートは、溶出率が規格値より若干低く、検査品のロットと同じ製造条件のロットを合わせて今年2月から回収した。
含量試験、放出試験など溶出試験以外の検査で品質を確認した6成分75品目については、全て適合していた。
不適合品の数は09年度3品目、08年度2品目とほぼ同水準だが、厚労省医薬食品局監視指導・麻薬対策課は「本来、一つでもあってはならない」としている。