HIV感染症の治療薬Dovatoに12~18歳への適応拡大、米FDA

2024年04月24日 (水)

Photo Credit: Adobe Stock

 米食品医薬品局(FDA)は、思春期の若年者のHIV感染症に対する治療薬としてDovato(一般名ドルテグラビル/ラミブジン)を承認した。

 この承認は、12歳以上かつ体重25kg以上のHIV-1感染症の若年者で、抗レトロウイルス(ARV)治療歴のない場合、または安定したARVレジメンでウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50コピー/mL未満)を得られており、治療失敗歴および本剤の成分に対する耐性に関連する既知の変異がなく、現行のARVレジメンから切り替える場合を対象としている。

 本剤は、1日1回経口投与する製剤で、インテグラーゼ鎖転移阻害剤(INSTI)であるドルテグラビル(50mg)とヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)であるラミブジン(300mg)を組み合わせたもの。それぞれに異なる部位でウイルスのライフサイクルを阻害する、2つの薬剤を含有していることが特徴である。

 今回の承認は、治療歴のないHIV感染症の若年患者を対象としてDovatoを評価したDANCE試験のデータ、および成人患者を対象としたよく管理された比較試験であるGEMINI-1およびGEMINI-2(治療歴のない成人)、TANGO(治療歴のある成人)のエビデンスに基づいている。DANCE試験では、ウイルスRNA量が1,000~50万コピー/mLの12~18歳の対象者30人中26人が、48週時にウイルス学的抑制を達成・維持した。思春期の患者における安全性と有効性は、成人患者に相当するものであることが示された。

 Dovatoの承認はヴィーヴヘルスケア社に与えられた。同社の北米担当責任者であるLynn Baxter氏は、「Dovatoの適応拡大により、HIVとともに生きる思春期の若年者も2剤併用1錠による経口レジメンを利用できるようになり、より少ないARV薬で完全なHIV治療が可能になる。これは生涯治療を必要とする若年者にとっては、重要な検討事項となる」と、同社のプレスリリースでコメントしている。(HealthDay News 2024年4月10日)

Source
https://www.healthday.com/healthpro-news/infectious-disease/fda-approves-dovato-for-teens-living-with-hiv

(参考情報)
FDA
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/appletter/2024/211994Orig1s018,%20s019ltr.pdf

Press Release – ViiV Healthcare
https://viivhealthcare.com/en-us/media-center/news/press-releases/2024/april/fda-approval-of-dovato/


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