米食品医薬品局(FDA)は4月22日、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)療法に不応の筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)成人患者を対象として、Anktiva(N-803、一般名nogapendekin alfa inbakicept-pmln)とBCGの併用療法を承認した。
Anktivaは、乳頭状腫瘍の併発の有無を問わず、上皮内がんを伴うBCG療法不応性NMIBCを適応とする、ファーストインクラスのインターロイキン-15受容体アゴニスト免疫療法薬である。FDAはBCGと併用する本剤を画期的治療薬(ブレークスルーセラピー)に指定し、承認した。
この承認は、患者77人を対象に、Anktiva とBCGによる37カ月までの維持療法の安全性と有効性を評価した試験の結果に基づいたもの。試験の対象者における完全奏効率は62%(95%信頼区間51~73%)で、2023年11月のカットオフ時点での完全奏効期間は47カ月以上であったという。副作用はグレード3/4の有害事象が0〜3%で認められた。
Anktivaの承認は、製造元のImmunityBio社に与えられた。同社によると、本剤は5月中旬までに米国で発売される予定だという。
同社のグローバル・チーフ・サイエンティフィック・アンド・メディカル・オフィサーであるPatrick Soon-Shiong氏は声明で、「がんを殺す鍵となる免疫細胞の増殖と、メモリーT細胞の活性化を組み合わせることにより、持続的な完全奏効がもたらされる」と説明。「長期記憶を持つ体内の免疫システムによる腫瘍細胞の死滅という『トライアングル・オフェンス』は、臓器に関係なく、複数のがん種にまたがる治療用がんワクチンを開発するわれわれの取り組みの基盤である」と述べている。(HealthDay News 2024年4月26日)
Press Release – ImmunityBio
https://immunitybio.com/immunitybio-announces-fda-approval-of-anktiva-first-in-class-il-15-receptor-agonist-for-bcg-unresponsive-non-muscle-invasive-bladder-cancer/