中外製薬の草野司上席執行役員(プロジェクト・ライフサイクルマネジメント長)は、このほど行った2024年第1四半期決算説明会で、スイスのロシュと米アルナイラムが高血圧治療薬として開発中のRNA干渉(RNAi)技術を用いたジレベシラン導入の狙いについて、モダリティの革新性と営業シナジーを挙げ、承認後は病院市場を対象にプロモーションしていく考えを示した。また説明会では、「エンスプリング」の全身型重症筋無力症対象の開発を中止したことを明らかにした。
中外は、ジレベシランについて日本で商業化する契約を締結した。標的RNAに結合してmRNAを分解し、肝臓におけるアンジオテンシノーゲン(AGT)の合成を阻害することで、血管収縮作用を有するアンジオテンシンIIを減少させて効果を発揮すると考えられている。血圧コントロール不良患者が対象で、単剤投与後、24時間を通じて安定的な血圧低下が最大6カ月間持続すると想定されており、海外で第II相試験が進んでいる。
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