20期連続増収と好調持続‐結城工場が今月稼働開始
化粧品受託製造業国内最大手のTOA(旧:日本コルマー)は、化粧品受託製造業(OEM)のみならず、企画設計から開発・生産までの全てを手がけるODM企業として、ワンストップトータルサービスを掲げ、開発力・生産力に磨きをかけている。

結城工場
昨年は6月1日に社名を「TOA(トーア)」に変更、同日に本社移転を行うなど、大きな転換点となった。また、7月1日には、同社の持株会社である日本コルマーホールディングスが、トキワを中核会社とするトキワ・コスメティクス・グループの全株式を取得。パートナーシップを開始し、新たなステージへ歩みを始めている。
前期(2024年3月期)の売上高は対前年比14%増の635億8000万円と20期連続の増収を達成。23年5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行からアフターコロナのステージに移り、ヘアケアやメイクアップ、スキンケアが堅調に推移したことなども増収要因となった。
同社は化粧品・医薬部外品製造業および製造販売業許可を取得しており、化粧品・医薬部外品の全面委託が可能なことから製造販売元となり、化粧品事業への新規参入や既存メーカーの新製品やリニューアルなど、あらゆるクライアントニーズに対応。化粧品ブランドメーカーにとっては黒子的なパートナーとして信頼を集めている。
現在、国内7カ所で工場を稼働。昨年10月には結城第一工場(茨城県結城市)の近隣に8カ所目となる結城工場を新設、今年3月に稼働を予定する。同工場は敷地面積3.3万m2、地上4階建てと国内では最大級の化粧品生産工場となる。生産能力がさらに増強され、大量生産から少量生産まで、顧客の幅広い要望に対し柔軟に対応できる生産体制を整えている。
また、海外拠点では中国の蘇州コルマー、杭州コルマー、ベトナムのコルマーベトナムの三つの工場が稼働。各工場では日本品質の製品を提供することでグローバルな生産供給体制を強化している。
研究体制は、八尾研究所(大阪府八尾市)、柏原研究所(大阪府柏原市)、出雲研究所(島根県雲南市)の3カ所の工場併設型研究所がクライアントニーズにきめ細かく速やかに対応を行う。
このほか新規原料の開発、原料・処方の安全性評価試験や有用性評価試験などを行うスキンリサーチセンター(大阪府大阪市)、関東方面の得意先に対する処方開発全般と有用性評価試験などを行う横浜研究所(神奈川県横浜市)を設置し、本格的な開発機能を維持している。
同社は100年以上にわたる化粧品開発のデータベースを構築している。専門性の高い研究員約200人を擁し、各クライアント担当者との素早い連携によってスキンケアやヘアケア、メイクアップなどあらゆる種類の化粧品を開発し、年間約1000SKUの新処方を発行しており、既存品を含めると約8000SKUの製品を供給している。顧客に提供している製品の約90%は自社開発処方と、自社開発を主体としている。化粧品GМPに基づく厳格な品質管理体制を構築しており、cGMPやユーザー目線での客観的で厳しい品質検査・品質保証も可能にしている。
TOA
https://www.toa-cosme.co.jp/