新棟で高純度中間体製造‐陽圧管理で異物混入防止
医薬品原薬・中間体製造受託などを行う相互薬工は、陽圧管理により異物混入の徹底防止が可能な第8工場棟(福岡県)における製造受託に注力する。同社は、原薬GMPにおいて原薬出発物質レベルから高度な品質管理を求められていくことを見据え、高い清浄度が求められる製造が可能であることを訴求する。

第8工場棟
第8工場棟は2022年8月に完成した最新鋭設備。二つのエリアからなる。各エリア反応釜として2000L2基(マイナス10~プラス145℃)、4000L2基(同)を備える。異物混入リスクを低減する棚段乾燥機も各エリアに3基で合計6基(500L)。エリア1には遠心濾過機、エリア2には加圧濾過機があり、耐食性に優れた合金のハステロイ製だ。
営業部開発営業次長の鈴木崇弘氏は、「いくつかの工程のうちの後ろの工程、もうその先では精製ができない工程において機能を発揮する。非常に高い清浄度のもとで製造ができる」とアピールする。
同棟は「精密化学品製造設備」と銘打ち、純度99.9%の物質を精製できる。高純度が要求される中間体に適する。そのため同棟は▽陽圧管理で徹底的に異物混入防止▽濾過・乾燥はクラス10万相当の清浄度――の機能を持つ。
このような設備を持つ同社は1955年に創業し、売上の約半分を国内の原薬製造受託事業で上げる。大手医療用医薬品メーカーなど十数社と取引がある。本社は東京都、工場は福島県いわき市、福岡県中間市に構える。
両工場には原料を反応させる反応釜を計200基以上も備える。様々な目的・用途に合わせ柔軟な組み合わせが可能なのが特徴。徹底洗浄、高い管理能力により対応する。
両工場には低温反応装置を設置。福岡工場には10kwの高圧水銀ランプによる光エネルギーにより反応を進める光反応装置を備える。
同社の大きな特徴は、国内では少ないステロイド原薬専用棟を持つこと。1000~4000Lの反応釜、遠心機、乾燥機による製造、指定粒度に仕上げられるジェットミルによる粉砕、充填、分析室などの設備を持つ。
品質保証面では、独立したデータシステム部門を設置し、DI(データインテグリティ)対応を目的としたQMS(品質管理システム)、品質試験データ管理を行うLIMS(ラボラトリー情報管理システム)を構築。液体クロマトグラフなどの分析機器を設置している。
多様かつ厳格な製造ができる設備を持つ同社に第8工場棟を加え、新規事業に取り組む。
同部開発営業次長の林田順氏は、同社が約70年にわたり有機合成を手がけ、常に顧客ニーズに応えて取り組んできたことを挙げ「今後も挑戦を続け、最善を尽くす」と力を込める。
相互薬工
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