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米食品医薬品局(FDA)は、成人の急性期脳梗塞の治療薬として、血栓溶解薬であるTNKase(一般名テネクテプラーゼ〔tenecteplase〕)を承認した。TNKaseは、5秒間の単回静脈内ボーラス投与で迅速に治療できるのに対し、現行の急性期脳梗塞患者に対する標準治療であるActivase(一般名アルテプラーゼ)は、静脈内ボーラス投与後、60分間の点滴静注が必要になる。TNKaseの製造元であるGenentech社は、今後数カ月のうちに25mgのバイアル製剤が利用可能になる予定だと発表した。
Genentech社のリリースによると、脳卒中は、米国における死因の第5位、長期障害の原因の第1位であり、毎年79万5,000人以上が発症しているという。脳梗塞を発症すると、脳の損傷が急速に進行し、治療が遅くなるほど神経組織の喪失も不可逆的となるため、迅速な治療が不可欠である。
今回の承認は、重度の神経障害を伴う脳梗塞患者を対象にTNKaseとActivaseを比較した臨床試験の結果に基づいている。
Genentech社の最高医療責任者兼グローバル製品開発責任者であるLevi Garraway氏は、「今回のTNKaseの承認は大きな前進であり、患者のために脳卒中治療の選択肢を広げるという当社の取り組みを明確に示すものだ。TNKaseは、これまでの標準治療より迅速かつ簡単な投与を可能にする。これは、急性期脳梗塞患者の対応にあたる医療従事者にとって非常に重要である」と、同社のリリースで述べた。
なお、TNKaseの承認はGenentech社に付与された。(HealthDay News 2025年3月6日)
Source
https://www.healthday.com/healthpro-news/stroke/fda-approves-tnkase-for-acute-ischemic-stroke
More Information
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-roundup-march-4-2025
https://www.gene.com/media/press-releases/15053/2025-03-03/fda-approves-genentechs-tnkase-in-acute-