
臨中の新承認要件・項目案
厚生科学審議会臨床研究部会は26日、事務局の厚生労働省医政局研究開発政策課が示した臨床研究中核病院の承認要件見直し案について議論した。現要件で実績として求めている医師主導治験や臨床研究、論文の数を、数でなくポイントに換算して評価するいわゆる「ポイント制」を新承認要件として導入するなどの案が示され、委員から「(ポイント制にすると)厳しくなるのか、緩やかになるのか」、「参加するのと主導して行うのは全然重みが違うので主導的にやった治験に高いポイントをつけるべきだと思う」などの意見が出された。
厚労省が示した見直し案資料によると、見直しの議論のポイントは、(1)新たな承認要件と項目、またそれらの評価方法、(2)承認の取り消し基準の明確化、(3)国際拠点型臨床研究中核病院(仮称)の新設――の3点。
このうち評価方法については、臨床研究中核病院(以下「臨中」)の承認に当たっては、達成できなければ取消もあり得る「必須要件」と、すべての臨中が満たすべき「取組むべき事項」、拠点ごとの特徴を反映する特徴的項目」――の3つに整理してはどうかと示された(図参照)。例えば、現行の評価方法・基準では「自ら行う特定臨床研究の実施件数:3年間で『医師主導治験8件』又は『医師主導治験4件、かつ臨床研究40件』」が承認要件であるが、仮に医師主導治験7件と臨床研究30件ではこの要件に達せず「未達」となってしまう。見直し案では、「医師主導治験10pt/件、臨床研究1pt/件とし、合計の上、最低80pt以上を求めてはどうか」と具体的に示されている。この基準を適用すると、医師主導治験7件=70ポイント、臨床研究30件=30ポイント、合計100ポイントで、80ポイントをクリアし、「未達」とはならない。このほか、「医師主導治験由来の論文3pt/報」、「臨床研究・企業治験由来の論文1pt/報」、「プロトコール論文は、1ptで計上。上限は6ptとする」などと示されている。
見直し案に対しては、日本医師会常任理事の佐原博之氏が、「ポイント制を導入した場合、過去の実績に照らすとどうなるのか。より厳しくなるのか、より緩やかになるのか」と質問。事務局は、「より厳しくなるのか緩くなるのかという観点からいえば、より柔軟になると考えている。つまり、どちらかというと緩和的な措置になると思っている」と答えた。
医薬品医療機器総合機構理事長の藤原康弘氏は、医師主導治験について「参加するのと主導して行うのは全然重みが違うので、主導的にやった治験に高いポイントをつけるべきだと思う」と述べた。また、「臨床研究と企業治験由来の論文の重みづけは、企業治験はちゃんと実績があるところに依頼が行くのでそういうところはしっかりと評価してあげないといけない。論文もジャンクジャーナルからいいジャーナルまでいろいろあるので、インパクトファクター付いてるやつは3点以上とかにした方がいいと思う。プロトコール論文は1ポイントは大きすぎる。プロトコール論文を頻発する施設があるので、0.5とか0.2とかでもいいんじゃないかなと思う」などと発言した。事務局は、「(本日資料に示した)点数の配分については、あくまでも現在の事務局の案で、まだ完成した形ではなく、どこに重みづけをしてポイントをつけるかについては、今後とも先生方のご意見をたまわって決めていきたい」と答えた。
臨床研究部会は昨年6月に「治験・臨床試験の推進に関する今後の方向性について2025年版とりまとめ」を公表し、その中で臨中の役割・機能を踏まえた承認要件の見直しを検討するとしていた。今回の議論は、この「とりまとめ」を受けての最初の議論となる。
今後のスケジュールは、2026年度上半期に項目ごとに議論・関係者ヒアリング、下半期に省令改正、2027年度から新要件施行、とされている。
臨中は、「臨床研究の実施の中核的な役割を担う」病院で、要件や承認申請の手続きは、医療法第4条の3、医療法施行規則第6条の5の2~第6条の5の5などに定められている。現在次の16病院が承認されている--国立がん研究センター中央病院、東北大学病院、大阪大学医学部附属病院、国立がん研究センター東病院、名古屋大学医学部附属病院、九州大学病院、東京大学医学部附属病院、慶應義塾大学病院、千葉大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、岡山大学病院、北海道大学病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院、神戸大学医学部附属病院、長崎大学病院、広島大学病院。
厚生科学審議会 臨床研究部会 委員・参考人名簿
委員
五十音順、敬称略。◎は部会長、○は部会長代理。
上野さやか TMI総合法律事務所 弁護士
神里彩子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究所 医事法制研究部部長
川上純一 公益社団法人日本薬剤師会副会長
近藤充弘 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会運営幹事
佐藤暁洋 国立研究開発法人国立がん研究センター東病院副院長(研究担当)/臨床研究支援部門部門長
佐藤典宏 北海道大学病院医療・ヘルスサイエンス研究開発機構機構長
佐原博之 公益社団法人日本医師会常任理事
新谷歩 公立大学法人大阪公立大学大学院医学研究科医療統計学教授
谷岡寛子 一般社団法人日本医療機器産業連合会臨床評価委員会副委員長
花井十伍 特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事長
○藤原康弘 独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長
山口育子 認定特定非営利活動法人ささえあい医療人権センターCOML理事長
渡部歌織 国立大学法人東京大学医学部附属病院臨床研究推進センターセンター長補佐/臨床試験患者相談部門長
◎渡邉裕司 浜松医科大学学長
参考人
楠岡英雄 独立行政法人国立病院機構名誉理事長
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