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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】わかば薬局(東邦薬品)

2026年07月31日 (金)

音声入力で薬歴が充実‐服薬指導の質向上目指す

わかば薬局さがみ野店外観

わかば薬局さがみ野店外観

 わかば薬局は、東邦薬品のクラウド型音声認識薬歴作成支援システム「ENIFvoiceSP+A(エニフボイスエスピープラスエー)」をグループ全体で導入し、効率的で充実した薬歴作成と服薬指導の実現を図っている。既にグループの半数の店舗で導入済みで、その活用を推進している店舗の一つがさがみ野店(神奈川県座間市)だ。薬歴作成時間の短縮などの効果が挙げられるが、同社首都圏第二エリアマネージャーの三枝大平氏は「患者さん個々の病態や生活習慣に合わせた指導を行い、質の高い指導内容を連続性のある薬歴記録として残し、患者さん一人ひとりに最適な医療を届けていきたい」と述べ、指導の質向上こそが導入目的と強調する。

三枝氏

三枝氏

 1989年に創業したわかばは、神奈川県など首都圏を中心に4月現在で41店舗を展開する。相鉄本線かしわ台駅近くに位置するさがみ野店は、約4年前にM&Aでグループ入りした店舗で、薬剤師は常勤2人、時短勤務2人の計4人のほか、事務員2人が在籍している。近隣の内科クリニックから1日40~50枚の処方箋を応需するほか、高齢者施設への在宅訪問サービスも提供している。

 わかばが掲げる「一人ひとりに最適な医療を提供し、患者満足をつくる」というビジョンの実現に向けて推進しているのが医療DX化である。中小規模の薬局としては珍しく、最新の調剤機器システムを積極的に導入している。

 その一つがENIFvoiceSP+Aだ。地域密着型薬局として外来と在宅の両立を目指す中、対物業務から対人業務へのシフトを進めるため、同システムの活用を促進している。

 同システムは、音声入力と音声による医薬品情報検索を一体化したシステム。音声で簡単に文字入力ができるため、薬剤師の記録業務の負担軽減につながり、患者とのコミュニケーション時間を創出できる。

 特徴は文字入力のスピードにある。キーボード入力に代わり、マイクに向かって話すだけで文字入力が可能で、キーボードの2倍以上となる毎秒6.5文字の入力速度を実現。薬歴作成時間を大幅に短縮できる。また、個人の発話の癖や特徴を学習する機能も搭載し、使用するほど入力精度が向上する。

 三枝氏によると、「導入店舗での実測データでは、1薬歴当たりの記録時間がキーボード入力に比べて約4割短縮した」という。また、カスタムコマンドの利用やハンドマイクの設定変更によるメンテナンスで操作性が向上し、より有効な利用が可能になった。

マイクで音声入力

マイクで音声入力

調剤室

調剤室

 ただ、三枝氏は「重要なのは薬歴作成時間を短縮することではなく、システムで創出した時間を薬剤師本来の業務に充て、服薬指導の質向上につなげること」と強調する。

 薬剤師による患者への説明は、薬や副作用に関する内容を画一的に伝えるのではなく、患者一人ひとりの病態や生活習慣に応じた対応が求められる。そのため、「薬歴も単なる記録ではなく、一人ひとりに最適な医療を届けるため、患者に合わせた指導内容を継続的に反映したものになっていることが重要」と訴え、同システム導入で薬剤師の薬歴に対する意識変容にもつながるとした。

 音声操作が可能なツールも搭載し、日々の服薬指導を強力にサポートする。「薬剤検索」と「ジェネリック医薬品検索」の二つの機能は同店舗にとって心強い味方となっている。

 14万語に及ぶ医療専用辞書を搭載しており、薬品名を発話するだけで、医療用医薬品やOTC医薬品の添付文書情報を呼び出すことができる。ジェネリック医薬品検索では、薬剤名から剤形写真を表示できるほか、先発品との適応症や薬価の違いも確認できる。

「患者満足」のビジョン実現へ

 三枝氏は「OTC医薬品検索の使用頻度が高く、非常に便利」と話す。患者への聞き取りの際、OTC医薬品の使用状況を確認する機会が増えている中、「必要な情報を即座に呼び出せるため、患者さんをお待たせすることがない」と利便性を評価する。また、セルフケア・セルフメディケーションの時代においてこうした機能は「コミュニケーション促進の有用なツールにもなっている」という。

 さらに、現場の立場から将来的な調剤機器システムへの要望として、AI薬歴システムとの連携を挙げる。AI薬歴システムでは、薬剤師と患者とのやり取りを基にAIが薬歴を作成するサービスが登場しているが、「SOAPのうち『アセスメント』『プラン』については十分に反映できない面もあり、音声入力型の薬歴システムが補完的な役割を果たせる」と指摘する。

 その上で、「中長期的には、AIが薬剤師の気づきを支援し、患者の課題を見逃さず、適切な問いかけを行えるシステムが必要になるのではないか」と提言する。

 「患者満足をつくる」というビジョンに向け、同店舗は在宅医療にも積極的に取り組み、地域に根付いた薬局を目指す。三枝氏は「患者さんだけでなく、働く薬剤師やスタッフにも優しい薬局でありたい。DX化を進める中でも、誰一人取り残さず、誰にとっても優しい薬局を目指したい」と話している。

わかば薬局(東邦薬品)
https://www.tohoyk.co.jp/support-system/enifvoice_spa/



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