◆2016年の夏季五輪の開催地がブラジルのリオデジャネイロに決まった。南米初となる五輪開催の意義を訴えてきたルラ大統領は、記者会見で感極まって涙した。その姿は、苦節3回目の挑戦にして、ようやく手にした五輪切符の重さを、世界の人々の心に響かせた
◆南米の盟主であり、新興国の一角を占めるブラジルは、五輪決定で「もはや二等国ではない」と自信を深めている。16年に向け、数十兆円とも言われるインフラ投資で、さらに経済大国として存在感を高めてくるのは間違いない
◆ただ、依然として存在する貧困層の解消が大きな社会問題になっているのも事実だ。ブラジルをはじめ、中南米の貧困層を中心に広がる顧みられない病気のシャーガス病も、完全に撲滅されていない
◆有効な治療法が乏しいシャーガス病は、日本も他人事ではない。既に日本へ出稼ぎに来たブラジル人から、シャーガス病の陽性患者が発見されている。その意味で、シャーガス病の撲滅は日本の利益にもなる。そう考えれば、五輪開催で存在感を発揮するのではなく、保健分野の貢献で世界から尊敬される存在を目指したいものだ。
南米の盟主
2009年10月07日 (水)
‐AD‐
この記事と同じカテゴリーの新着記事
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
医療機器・化粧品
新薬・新製品情報
企画
寄稿