
梅田社長
ファイザーは1日、ワイス日本法人と統合した。今回の統合によって、5000億円の売上規模に拡大し、国内医薬品売上高で第2位に浮上する。両社の統合を受け、都内で記者会見した梅田一郎社長は、「参入する全ての領域においてリーダーとなる」との目標を掲げ、癌やワクチンなどの疾患領域でトップを目指す方針を示した。
既にグローバルでは、ファイザーとワイスは昨年10月に統合している。今回、国内で新生ファイザーをスタートさせることになった。ワイスとの統合により、社員数5850人、MR数3040人と人員体制を強化。また、調査会社「IMS」によると、昨年4月~今年3月までの国内売上高は、ワイスの約570億円を加えることで約5280億円に拡大。統合前の3位から2位に浮上する。1位の武田薬品とわずかの差に迫ることから、梅田氏は「1位を狙えるポジションに近づいてきている」と統合効果を強調した。
2010年度は、上期にワイス製品2製品を含む5製品を上市する。今後、「参入する全ての領域でリーダーとなる」との目標を掲げ、オンコロジー・スペシャリティケア領域を中心に、参入済み、参入予定の10疾患領域に経営資源を投入していく方針だ。
また、長期収載品やジェネリック医薬品を対象とした「エスタブリッシュ製品」の事業展開を開始すると共に、ワクチンや抗体医薬の開発を進め、事業の多角化に着手する。梅田氏は、「これまでファイザーが製品として持っていなかった領域に、新しい製品が入ってくる」とし、将来の主力事業として育成していく方針を示した。
一方、高脂血症治療薬「リピトール」の国内特許切れを控える中、グローバルで進めている人員削減策については、「ただちに削減を行う考えはない」と否定した。