
内海氏
政府はあす3日、「2011年秋の褒章」を発令する。薬学分野から、元九州大学大学院薬学研究院教授で同大名誉教授の内海英雄氏がスピンプローブ法の開発など、物理系薬学分野の業績が評価され紫綬褒章を受章する。主な受賞者は次の各氏。
文部科学省関係
◇紫綬褒章
内海英雄(九州大学名誉教授、64歳):物理系薬学分野で、生体の恒常性維持にかかわるレドックス代謝(生体内の酸化還元反応)を解析する手法を研究し、生体磁気共鳴画像化装置を開発し、レドックス代謝検出薬と組み合わせた生体レドックス解析法(スピンプローブ法)を確立するなどの優れた業績を挙げた。
丸岡啓二(京都大学教授、58歳):有機合成化学分野で、環境調和型のキラル相間移動触媒やさらに高活性な触媒を開発して、医薬品や各種アミノ酸の実用的合成に優れた業績を挙げた。
辻省次(東京大学教授、60歳):神経内科学分野で、神経変性疾患の病因を分子レベルで研究し、遺伝性神経疾患、特にポリグルタミン病の病因遺伝子の発見と病態解明などで優れた業績を挙げた。
岸本健雄(東京工業大学教授、64歳):細胞生物学分野で、MPF(卵成熟促進因子・M期促進因子)の発見をもとに、卵細胞の成熟・減数分裂・受精過程における細胞周期制御の分子機構と、それに至るシグナル伝達経路を解明するなどの優れた業績を挙げた。
清野進(神戸大学教授、63歳):糖尿病・代謝学分野で、分子レベルでのインスリン分泌機構の解明や、新たなインスリン分泌増強メカニズムの発見など優れた業績を挙げた。
経済産業省関係
◇藍綬褒章
三木康宏(47歳):徳島ニュービジネス協議会会長
土方清(66歳):日本フランチャイズチェーン協会会長