全国健康保険協会が9日、中小企業のサラリーマンらが加入する「協会けんぽ」の2011年度決算見込みを発表した。収入8兆0577億円に対し支出7兆7992億円で、差し引き2586億円の単年度黒字となり、準備金不足が1年前倒しで解消した。医療費の増加や賃金の下落が予算時の想定を下回ったことが要因で、同日の会見で小林剛理事長は「出血が終わった状態とは考えていない。構造的な問題は変わっていない」との見方を示した。
協会けんぽは、09年度にリーマンショックや新型インフルエンザの流行などの影響で大幅な単年度赤字となり、準備金も不足して3179億円の累積赤字が発生した。そのため、翌年度から保険料率を毎年引き上げて収支改善を進めている。国も3年間の時限措置として国庫補助率を引き上げ、後期高齢者支援金の負担軽減を講じると共に、累積赤字の解消を12年度まで猶予している。
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