コスト意識の共有で生産性は上げられる

浅井司氏
製造の効率化が必要な製薬企業の医薬品製造現場だが、経営サイドには異業種のノウハウを取り入れ、製造プロセスを最適化し、生産性の向上を図る動きが出てきた。ただ、GMP規制に準拠した品質管理が求められる中、製造プロセスの変更に対して、現場のスタッフには少なからず心理的な抵抗もあるようだ。トヨタ自動車の製造現場経験者によるコンサルティング業務を手がけるOJTソリューションズによると、顧客である製薬企業の製造現場で作業員に現状の問題点を指摘し、改善点を提案する際に「その方法だとGMPに違反する可能性があるのでできない」と即答されることが少なくないという。同社のシニアコーディネーターの浅井司氏は、「新しい作業プロセスの導入をためらうのも、GMPを大義名分にしている面があるのではないか。もっと生産性は上げられる」と述べ、マネジメント側と作業員側でコスト改善の意識共有が必要との認識を示した。
OJTソリューションズでは、トヨタの自動車製造に長年携わってきた管理監督者が生産、品質、原価管理等に課題を抱えている顧客に対して、実際に職場を訪問。マネジメント側と製造現場側の両方のアプローチで、いかに製造の稼働率を上げて原価を下げるかという観点から、問題の解決策を顧客と議論していく。国際競争の激しい自動車製造大手であるトヨタの生産コスト改善に対する意識を現場のスタッフに浸透させ、自ら改善できる人材育成をしており、業界業種問わず幅広く顧客を抱えている。
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