オーガナイザー
南敬(熊本大生命セ)
稲垣毅(群馬大生調研)
古賀友紹(熊本大発生研)
金田篤志(千葉大院医)
薬師寺文華(北大院薬)
鈴木孝禎(阪大産研)
21世紀初頭にヒトゲノム解読が⼀段落し、そのゲノム情報から病態理解が進んだ⼀方、難治性癌や生活習慣病の多くは単なるゲノム⼀次配列の異常だけでなく、ヒストンメチル化・アセチル化やDNAメチル化を含むエピジェネティックな異常と環境要因が複雑に絡んでいることが判明してきた。現在、エピゲノム解析技術の革新的な進歩と共に、エピゲノム修飾を阻害する薬剤が次世代創薬として臨床応用されつつあるが、薬学領域においてエピジェネティクス研究における議論が十分とは言い難い。
そこで本シンポジウムでは、発癌・血管新生・炎症・加齢生活習慣病をもとに包括的なエピゲノム動態変化を先駆的に解析する研究と、ケミカルバイオロジーをもとに新たなエピゲノム制御や阻害手法を確立する最先端研究を紹介する。その有機的な融合を踏まえ、健康時や病態進展に深く関与するエピゲノム変化とその同定法、さらには病態標的を絞った新規阻害剤創⽣の可能性について「エピゲノム薬学」という観点から討論を深めたい。
(南敬)