第56回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会副会長
田尻泰典
和歌山県薬剤師会常務理事
坪山晃大
医薬分業の進展等により、薬剤師および薬局を取り巻く環境は大きく変化し、原点に立ち返り、現在の薬局を患者本位のかかりつけ薬局への推進を図るため「患者のための薬局ビジョン」が厚生労働省から示されたのは2015年10月であった。また、超高齢化・人口急減の到来に向け第8次医療計画(24~29年度)の策定が進められている。
「対物から対人に、薬局から地域へ」を果たし、薬剤師・薬局が地域に根ざした存在になるために何をなすべきか。
本分科会ではまず、日本薬剤師会常務理事の荻野構一氏から「地域での保健医療推進のために薬局薬剤師に期待すること」として基調講演をいただき、和歌山県立医科大学薬学部教授の岡田浩氏から「地域住民の健康と生きがいを支える場としての薬局:国内外の臨床研究成果から」と題し、地域住民の医療へのアクセス維持し、生活の質を維持するために、アクセスが良く、医療専門職である薬剤師が常駐している薬局という場を活用した取り組みとして、海外の薬局の取り組みと国内外の薬局における臨床研究の成果を紹介いただく。
続いて、京都大学大学院生命科学研究科付属放射線生物学研究センター特任教授(京都大学名誉教授)の渡邉正己氏から「活物窮理が医療の原点であることを知ろう」として、教育者あるいは科学者としての目で薬局を取り巻く状況を分析し、薬剤師としてどのように地域貢献に取り組み、地域住民の健康増進のために何ができるかについての考えを紹介いただく。
最後に、宮崎県薬剤師会副会長の青木浩朗氏から「地域活動 気軽に相談されるようになるために必要なこと」と題し、健康フェアやお薬相談など薬局が主体で行う様々な地域活動が行われている中で、健康に関わる相談の事例を挙げていただく。今後のわれわれの薬剤師業務に生かしてほしい。
(田尻泰典)