安全性情報管理フル支援‐翻訳力生かしレポート作成も

安藤氏
ウィズウィグは、翻訳会社としての翻訳力に加え、安全性情報の取り扱いに精通している社員の能力を生かし、製薬企業の安全性情報管理業務をサポートするサービスを展開している。安全性情報の受付から当局報告、海外親会社や提携企業への報告支援までの一連の業務、またはその一部の業務を受託する。製薬企業内部で課題となっている膨大な安全性情報管理業務に対し、同社が業務の効率化と均質化を図り、製薬企業による適時適切な安全性情報報告、安全確保対策、また医療現場における医薬品の適正使用を下支えする。
同社が安全性情報翻訳業務を開始したのは1998年、安全性情報管理業務支援を開始したのは2005年と、20年前後の実績がある。国内外の有害事象情報の共有を図るCIOMSレポートの翻訳を受託したのがきっかけだ。
CIOMS(国際医学団体協議会)は、世界保健機関(WHO)などによって設立された組織で、海外ではCIOMSが定めた有害事象報告書の書式が一般的に使用されている。
同社は国内で発生した安全性情報を英訳して海外に報告するため同レポートを作成すると共に、海外で報告された同レポートを和訳して当局へ報告するための様式作成に携わった。
その業務を通じて、翻訳力のみならず、CIOMSレポートを読み込む能力、安全性情報の背景や評価、報告様式に関する知識、さらには安全性情報データベースの取り扱いについて理解を深めた。安全性情報管理業務支援には評価案の作成など別の能力も必要になることから、対応できる社員を自ら育成した。医学的な判断が要求される部分は、外部に医師のサポート連携を構築し対応した。
製薬企業の力も借りながら、応需体制を整えてきた。安全性情報入力支援プログラムの開発も試み、当局報告様式作成支援プログラム、進捗管理ツールを開発した。
そうしてMRやコールセンターなどからの安全性の受付、報告内容の問い合わせ、評価案も含めた安全性情報データベースへの入力および当局報告の支援、または海外親会社・提携企業への報告支援、文献情報の調査など安全性情報管理業務をフルで受けられる体制にある。
もちろん顧客の要望に応じて、業務の一部だけを受託することも可能だ。いずれの業務も顧客と合意した手順書に基づいて遂行する。
同社ならではのサービスの特徴について事業統括本部の天井しのぶ安全性情報部長は、「委託されたお客様にお聞きすると、まず英語力が挙げられる。続いて、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー制を敷くことで、業務に携わる担当者が変わっても、業務の質の確保、情報の共有が継続できるよう注力しており、そこもまた評価されている。安全性情報の背景を理解した上で業務を行える社員と体制、それを育成・構築できる社内体制があることもまた評価のベースにあると思う」と説明する。
社内で翻訳部、メディカルライティング部との協力が得られるのも、また他社にないサービス体制といえる。
同部の植木純平次長は、「正確な情報を、正確な納期で提供することを国内企業のみならず、グローバル企業に対してもノンストレスで提供できるようなサービスを目標に対応している」と強調する。
安藤惣吉代表取締役は、「安全性情報の報告の遅れは、患者さんの生命、製薬企業の存亡に関わる。製薬企業が行う安全対策は、正確なデータを所有し、それを解析した上で実施できる。そこで私たちは、求められる基準に沿って、安全性情報のデータの質を保ち、納期内に提供する。私たちが提供するサービス品質はグローバルでも通用するものであるとの自負がある」と、メッセージを送る。
ウィズウィグ
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