「科学を無視した決定」
臨床試験受託事業協会はきょう27日、国際共同治験前に日本人対象の第I相試験の追加実施を原則不要とする方針が厚生労働省検討会で了承されたことを受け、「日本人を対象とした第I相試験を実施することなく、検証的な第III相試験から日本人を組み入れることには多くの問題がある」との反対声明を公表する。日本人第I相を省略した場合には日本人だけに発現する副作用を見逃してしまう可能性や、外国人での臨床試験結果に基づき設定された用量で国際共同治験が行われることにより生じる患者へのリスクに強い懸念を示した。熊谷雄治会長は本紙の取材に対し、「サイエンスを無視して政策面で方針を決定している。最低でも日本人の何らかのデータを持って国際共同治験に入るべき」と訴える。
厚労省検討会は、ドラッグラグ・ロス問題の対応策の一つとして、国際共同治験前に実施している日本人第I相を原則不要とする方針を了承し、厚労省が新通知案の作成を進めている。第I相試験実施の有無に関わらず、承認申請までの間に日本人のPK/PDデータを収集するなどして、国内外差について検討を行うよう求めるとしている。
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