MRスキル評価導入拡大へ
主に製薬企業に対する教育研修支援を行うリープは、MRのスキル評価・学習支援を行うプログラム「SkillPalette」の導入拡大を図り、個々の営業組織・MRが抱える課題に対し教育研修などのソリューションの提供につなげる取り組みを進める。
同社の事業の核が教育工学に基づく「インストラクショナルデザイン」。これは組織や個人が目指す姿に対し、現在の課題を評価分析し、必要な教育研修などのソリューションを設計し、成果に結びつける科学的手法だ。
MRを取り巻く環境の変化で必要なスキルも変わってきていることから、「SkillPalette」の導入拡大を通じて、医療従事者との面談・対話の改善、生産性の向上につなげられるよう注力する。
同社の取引先の約7割は製薬企業で、教育研修部、営業推進部、マーケティング部が主要な顧客という。
「SkillPalette」は、組織や個人の評価・分析結果をフィードバックする評価・ダッシュボード機能とトレーニング動画視聴などの学習機能を持つツールで、クラウド版も提供している。
堀貴史代表取締役は、同ツールの顧客の評価について「マネージャのコーチングスキル、MRのディテールにおける対話スキルのアセスメントをし、その結果がフィードバックされる点に価値を感じられている。スキルレベルや課題、強みを個人単位でも組織単位でも提示し、業界の中での位置づけを数値で示すところに関心が寄せられる」と説明する。
しかし、これだけにとどまらないところに同社のソリューションの価値がある。堀氏は、「本題は、自分たちの課題を明確化し、いかに目指す姿に向けてソリューションを設計し、構築していくかにある。それを経験則ではなく、科学的なインストラクショナルデザインに基づいて行い、提供することこそ訴求したい価値だ」と強調する。
現状のアセスメントによる評価・分析を起点に、抽出された課題に対し、コンサルティングを行う。
そしてトレーナー育成、MR育成策といった教育研修プログラムの策定、教育研修の実施といったソリューションを提供することを通じて「さらなる企業の成長、生産性向上につなげたい」というのが同社の思いだ。
MRの行動観察や対話分析なども手がける。例えば、オンライン面談において、医師の許諾の上でMRとの面談を録画し、評価・分析を行うことも提供している。マネージャによるMRに対する指導の場面に活用することも可能だ。
また、医師の働き方改革、オンライン面談の増加、取り扱う製品の変化などMRを取り巻く環境が変わる中で、同社のサービスに対するニーズは高まっているという。
堀氏は「情報提供をシナリオ通りにやらせるだけでは不十分。私たちの評価・分析では、MRの説明の仕方について、その論理構成が分析できる。そこまで認識してもらうと、MRが戦略的・論理的・合理的に活動しているのか、マーケティングプランの意図を理解して活動しているのか、それができる人とできない人の違いは何か、できるようにするためのマネージャのコミュニケーションのあり方まで分析でき、次の取り組みとして始めているところ」と説明する。
さらに読者へのメッセージとして「自分たちのサービスは評価・分析だけなく、そこから派生する教育プログラム、教育研修の設計、提供まである。実際、MRの思考力、対話の論理性が向上したとのフィードバックはとても多い。医師からも、MRの説明が論理的でポイント抑えた内容に変わったとの声をいただいたことがある。つまり、自分たちの時間を奪うような内容ではなくなったとのことだ。私たちの支援の結果として、医師の向こうにいる患者さんに適切な情報が届くことにつながれば、嬉しく思う」と語る。