杏林製薬の荻原豊社長CEOは9日、都内で行った2024年3月期中間決算説明会で、武見敬三厚生労働相から供給を増やすよう要請されている医療用去痰薬「ムコダイン」について、高岡新工場(富山県)に製造ラインを設けて生産を行うことを明らかにした。どの程度増産するのかは、他製品の影響や原料調達などを見極める必要があるとして明かさなかった。新工場での同剤の生産開始は、来年秋口を予定しているが、開始を早められるよう規制当局に審査を優先するなどの対応を求めているという。
同剤は先発品で、同成分の市場シェアは、同社によると約2割。錠剤の薬価は1錠当たり250mgが8.5円、500mgは10.3円の低薬価で、供給状況が改善すれば市場の多くを占める後発品の盛り返しも見込まれ、政府の支援策もまだ具体化していない。その中で、同社は増産体制の構築に踏み切った。
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