
星氏
山形県新庄市のほし薬局は、薬局を無料開放し、高齢者の健康体操教室や子供の待ち合わせ場所に利用できるようにするなど、地域住民にとって処方箋を持たなくても訪れることができる身近な薬局づくりを目指している。山形県で最初の健康サポート薬局として予防・健康増進に力を入れる一方、介護では看取り期の在宅(ターミナルケア)に取り組み、多くの患者の最期を見届けてきた。ほし薬局の開設者である星利佳氏は、新庄市出身の薬剤師として、「地域で育てられて大きくなった。自分がしてもらったことを子供たちにしてあげたい。お年寄りにも恩返ししたい」と述べ、薬局から発信する地域貢献を模索する。
薬局を待ち合わせ場所に‐高齢者向けイベントも企画
星氏は、医療と介護の架け橋になりたいとの思いからメディカを設立し、2000年6月にほし薬局新庄店を開局した。現在、新庄最上地域に4店舗を構える。山形県は全国で見ても高齢化率が高く、中でも県北部に位置する新庄最上地域は、県内で高齢化率が最も高い。
ほし薬局では、高齢化に直面する地域の医療課題に対し、様々な取り組みを行っている。具体的には、▽地域一体型NSTの立ち上げ▽床ずれを考える会▽ほし薬局発信の研修会(地域の多職種に対して薬局の視点を伝える会)▽認知症キャラバンメイト▽緩和連携の研修会(病院外科医と継続研修を実施)▽「なんとすっぺ!ポリファーマシーの会」(地域の医師、薬剤師、管理栄養士、ケアマネージャーなどとポリファーマシーを考える)▽けあまねシール(お薬手帳に担当ケアマネージャーがシールを貼付し、薬局からお薬情報を提供する仕組み)▽薬剤師の連携を考える会(山形大学病院副薬剤部長と2人で演者と座長を交代しながらウェブ研修を実施)▽地域サロンでのお薬講話▽出張検体測定室――と多岐にわたる。
昨年10月から100歳体操教室を始めた。参加無料で、毎週木曜日午前に約1時間、ほし薬局に集まった高齢者が話をしながら日常生活に必要な筋肉を鍛え、介護予防につなげる。
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