オーガナイザー
宮野加奈子(東京慈恵医大)
南雲康行(国立がん研セ)
近年の分子生物学の発展は、分子標的薬や抗体医薬品などの創薬モダリティの開発を急速に推し進めた。そして現代では、AIやビッグデータ解析を活用した創薬研究により、遺伝子治療薬などの新しいモダリティを生み出すことでトレンドを多様化し、創薬に新たなパラダイムシフトを起こしている。
創薬モダリティの開発には、科学と技術の進歩によるセレンディピティーによらない理論的な確固たる基礎研究に基づくことが重要であり、大学をはじめとするアカデミアによる基礎研究の成果が医薬品開発を左右する。しかし、アカデミアからの創薬シーズの企業導出は、製薬企業の最重点領域である癌領域でさえ、まだ少ないのが現状である。
本シンポジウムでは、癌と闘うための新しいアカデミア創薬の新時代の到来を期待し、癌患者由来腫瘍組織を用いた新しい動物モデルを駆使した新規抗癌剤の開発戦略をはじめ、創薬モダリティならびに創薬シーズ開発の最前線について、それぞれの第一線で活躍する講演者にご登壇いただき、アカデミア創薬の再活性化とさらなる発展の原動力につなげるディスカッションを展開する。
(宮野加奈子)