日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)では毎年、業界推計「日本のドラッグストア実態調査」を行っている。同調査は2000年度から実施されており、毎年同様の方法で調査を実施することで、日本のドラッグストア業態の変化を明らかにしてきたという特徴を持つ。このほど、23年度の結果速報が公表されたが、その中で全国総店舗数は381社2万3041店舗に到達し、2万3000店を超えた。
総店舗数は前年より957店舗の増加という状況で、この2万3000超の店舗を規模別に見ると、30坪未満が1898店舗、30坪以上60坪未満が1541店舗、60坪以上150坪未満が4141店舗、150坪以上300坪未満が9891店舗、300坪以上が5570店舗となっている。
ボリュームゾーンは150坪以上300坪未満で、構成比は42.9%に及ぶ。300坪以上の構成比24.2%を加えると半数を超えており、規模の大きい店舗が多い状況となっている。
一方、全国総売上高(推定値)に関しては9兆2022億円となり、ついに9兆円を突破した。前年度からの伸び率は5.6%増となっている。前回調査では、伸び率が2.0%増であったことから、伸び率の鈍化を囁く声も聞かれていたが、その後も各所で指摘されてきた「ドラッグストアはまだ成長している」という言葉を裏付けた格好だ。
調査から明らかになったドラッグストアにおける調剤の動向も注目である。ドラッグストアの調剤額は1兆4025億円に達し、ドラッグストア売上高の15.2%に及んだ。伸び率は9.5%で15年度の調査開始以来、毎年度10%程度の伸び率となっている。
15年度の調剤額7158億円と比較すると、ほぼ2倍まで拡大した。調剤医療費総額に占めるシェアは暫定値で17.8%である。
ドラッグストアでは現在、調剤併設店舗が増えており、ドラッグストアの調剤額について、JACDS池野隆光会長は「伸びると思っていた」と手応えを示す。
まだドラッグストアにおいて調剤未設置店舗は多く、これらの店舗での調剤併設が進めば、今後も調剤額は伸びていくことが予想される。調剤医療費総額に占めるシェアについて、20%を超える日も近いのではないだろうか。
23年度調査で総売上高が9兆円を突破したことにより、JACDSとドラッグストア業界が近年掲げてきた目標の「2025年10兆円産業化」の実現は現実味を帯びている。
調査結果を受け、池野氏はドラッグストアが「まだ成長している」ことを改めて強調したが、地域を支えるドラッグストアであり続けていくとの姿勢や取り組みには、今後も「まだ成長する」と思わせるだけの説得力がある。