杏林製薬の荻原豊社長は8日、都内で開いた2025年3月期中間決算説明会で、政府から要請を受けて増産した去痰薬「ムコダイン」が過剰在庫になっていることを明らかにした。ただし、同社は冬のかぜなどのシーズンに向けて計画に対する在庫の過剰感は薄れていくと見ている。荻原氏は今後の生産について、需要に対する他の製品の生産状況は予想しづらいことなどから「極めて微妙なコントロールをしないといけない」と話した。
「ムコダイン」の第2四半期売上は15億円で、計画より4億円下回った。下期の需要が高まることから通期では43億円、前年度実績より1億円上回る計画にしている。同社によると、卸側に在庫が残り、同社側に注文がなかった分、計画が下回った。剤形別では、需給に落ち着きが出ているシロップ剤、ドライシロップ(DS)剤で在庫が残り、錠剤はむしろ前年同期より売上が伸びている。また、DS剤では薬価改定の影響も出ている。
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