アストラゼネカ、メディフォード、ジャパン・メディカル・リーフは13日、アストラゼネカの局所進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)を対象とした治験で自己採血キットを活用した分散型治験(DCT)の実現に向けた連携を開始したと発表した。同治験では、安全性評価のため頻回な採血、およびそれに伴う来院が必要だが、自己採血キット導入によって、血液採血のために患者が頻回に来院する負担を軽減することができる。
今回の連携では、メディフォードがジャパン・メディカル・リーフが開発した微量採血管キャピラリーカップを使用する自己採血キットを治験実施医療機関に提供する。採取された患者の血液は、メディフォードが治験に求められる品質基準を満たした体制で回収・測定し、治験実施医療機関へ検査結果を提供する。
これにより、患者の来院を伴う負担が軽減されるだけでなく、医療機関による通常の採血より少量の血液で検査が完了するため、患者の総採血量を大幅に減らすことができる。その結果、患者の負担が軽減すると同時に、血液用容器に使用されるプラスチック量の削減や、血液入り容器の焼却に伴うCO2排出量の削減も期待できる。
がんを対象とした治験の安全性評価での自己採血を実施するスキームの導入は、先駆的な取り組みとなる。この取り組みによって、来院に依存しないDCTで実施可能な検査方法が増え、日本におけるCDTのさらなる普及に貢献することが期待される。