日本化粧品原料協会連合会の主催、日本化粧品技術者会の共催による「CITE JAPAN 2025」(化粧品産業技術展)が14日、パシフィコ横浜で開幕した。隔年で開催されているこの展示会は、今回で12回を数える。“Next Step for Cosmetic Ingredients & Technology ~ The Worldwide New Trend”という統一テーマのもと、16日までの3日間にわたって化粧品の開発・製造に関連する最新の素材、技術などが世界に発信される。サプライヤーである出展企業とユーザーである化粧品メーカーとの間で、活発な商談の展開が期待されている。

来場者でにぎわう展示会場
増加するアジアからの参加
CITEは回を重ねるごとに規模を拡大している。今回の出展者数は405社1273小間で、前回の2年前に比べ43社117小間増加した。このうち海外からは13カ国・地域から77社が出展している。来場者数も一時期は新型コロナで落ち込んだものの、それ以後は順調に回復しており、今回は2万人近くが見込まれる。近年はアジア地域からの出展、来場が増えており、中でも中国、韓国の参加が活発である。
展示された製品のトレンド
展示品の傾向としては、化粧品原料では揮発性シリコンに対する欧米の規制を受けて、低温でも揮発性を有する短酸類への変更が提案されている。また、鉱物油である流動パラフィンからの離脱を目標に、微生物発酵を利用したイソアルカン類の製造が増加している。
容器ではSDGsの流れを背景に、ポリ乳酸系素材の開発が目立っている。欧州でマイクロプラスチックビーズが規制対象になったことから、加色に用いるパール剤も、対策を講じた新しい製品が展示されている。
アワードと技術発表会
各企業が開発した最新の技術や原材料などの特徴を、セミナー形式で発表・討論する出展者技術発表会も行われる。各メーカーが製品をアピールできる機会であり、110社から211のセッションが設定された。
さらに、各企業の開発意欲を高めて業界の発展に資する目的で、展示品の中から技術の革新性や持続可能性などが優れているものを選んで表彰する「CITEアワード」も企画されている。環境と技術の2部門において、それぞれ5件ずつがノミネートされており、最終日には受賞者の発表と授賞式が予定されている。