ウィーメックスは27日、岡山大学、岡山市の三宅医院との3者間で、無痛分娩に関わる医療現場の業務効率化と円滑なコミュニケーションの強化を目的とした共同研究を開始したと発表した。同研究では、同社が提供するリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を両医療機関に導入し、今年4月~来年3月の間、医師や助産師の業務効率化および妊婦との円滑なコミュニケーションの強化に対する有用性を検証を行う。
この研究の目的は、無痛分娩における遠隔医療システムの有用性を検証すること。「Teladoc HEALTH」は、上下左右やズームの遠隔操作が可能な高画質カメラや、遠隔地の医師が現場と画面を共有し所見を伝えられるアノテーション機能を備えており、▽麻酔科医の駆け付け判断の効率化▽医療従事者の業務負担軽減▽助産師・妊婦さんとのコミュニケーションの質的向上――といった効果が期待される。
同研究では、「Teladoc HEALTH」導入前後での変化をアンケート調査によって定量・定性の両面から評価する。具体的な評価項目は、麻酔科医の待機時間の変化、助産師とのコンタクト数の変化、さらに麻酔科医、助産師、妊婦、それぞれに対するアンケート結果をもとに、システム導入の効果と課題を多角的に分析する。
三宅医院の三宅貴仁院長は、「近年、無痛分娩を希望する妊婦の割合は年々増加しいるが、麻酔科医師をはじめとする医療従事者が相対的に不足しており、安全性の担保が大きな課題となっている。遠隔診療システムを活用することで安全な体制が持続可能となり、妊婦の安心につながることを期待している」とコメントしている。
また、岡山大病院小児麻酔科の金澤伴幸助教は、「無痛分娩の安全な施行に麻酔科医が果たす役割は大きい。現状は人手不足により全ての妊婦の要望に応えられていないと感じている。麻酔科医が常時ベッドサイドにいなくても遠隔医療を導入することで妊婦の安全が担保できるようになれば、無痛分娩を安全に行える施設が増え、妊婦が住み慣れた地域で安心してお産を行えるようになるのではと期待している」と述べている。
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