日研化学は10月1日、興和の医療用薬事業を統合することに伴い「興和創薬株式会社」に社名を変更し、スタートする。循環器疾患、糖尿病、腎疾患など生活習慣病を重点領域とし事業展開する。規模は両社合わせてMRは約1000人、売上高は実質的には約600億円とみられるが、2010年度には1000億円以上、国内医療用薬メーカーの20位以内を目指す。
これは日研が8月に興和の完全子会社になったことに伴い、興和の医療用薬の販売を日研が引き受け、興和グループの医療用薬事業の中核会社として生まれ変わるもので、日研が14日に発表した。経営幹部は日研の現体制を引きつぎ、社長は日研化学社長の田村滋氏があたる。
発表によると、企業像として「生活習慣病領域で高く評価され、さらに社会に貢献する新薬を世に送り続けていく中堅医薬品メーカー」を掲げる。2007年度には売上高748億円、営業利益16億円を計画している。
生活習慣病を重点領域とするが、眼や皮膚疾患など感覚器領域を将来的な重点領域とするため、同領域の専門MR約60人を配置する方針。営業を効果的に行うため、プロダクトマーケティング部を新設する。支店は、東京を2支店にし全国12支店体制とする。
両社はこれまでも高脂血症治療剤「リバロ」、血圧降下剤「オルメテック」で共同販促を進めてきている。今回の営業統合の背景には、三菱ウェルファーマから日研に販売委託され、日研の売上高の3割強(150億円弱)を占める気管支拡張剤「テオドール」など3品目の委託契約が3月末で「やむなく」(日研)終了となり、業績悪化が避けられなくなったことがある。興和も医療用薬事業の拡大が迫られていた。
両社は3月に医療用医薬品の営業統合を行うことで合意して以来、営業統合準備委員会で検討していた。