日本メドトロニックは6月27日、「Affera Mapping and Ablationシステム」および「Sphere-9カテーテル」が心臓の電気生理学的マッピング、薬剤抵抗性の再発性症候性発作性心房細動、薬剤抵抗性の症候性持続性心房細動、通常型心房粗動の治療に用いるシステムとして、6月に薬事承認を取得したと発表した。今後、保険診療下で治療を提供できるよう保険適用に向けた手続きを開始する。
カテーテルアブレーションを行う際には、心臓内の電気生理学的情報と三次元の解剖学的情報を可視化するため、3Dマッピングシステムが多く用いられている。一般的に、治療用のカテーテルとは別に診断用の高解像度マッピングカテーテルが使用されている。その際、カテーテルの入替が発生する場合があり、カテーテル入替に起因する合併症の発生リスクがある。
同システムは、パルスフィールド(PF)アブレーションおよび高周波(RF)アブレーションと、高解像度マッピングを1本のカテーテルで行うことが可能なもの。治療部位ごとにエネルギー源の選択が可能であることから、エネルギー源に由来する合併症リスクを低減する可能性があり、患者の状態に応じて安全性を考慮した治療戦略を提供することができる。
また、Sphere-9カテーテルの先端は直径9.3mmの球状ラティスチップ(格子構造)にすることで、解剖学的な制限を少なくすることができ、広範囲での治療を可能となった。加えて、アブレーションと高解像度マッピングが1本のカテーテルで完結するため、診断と治療のカテーテル入替が発生しないのが特長だ。また、このカテーテルは8.5Fr以上のシースと併用可能となっている。
東京慈恵会医科大学の山根禎一教授は、「同製品のに期待する点は、カテーテル形状に起因する解剖学的な治療箇所の制限がない点と、診断と治療の際のカテーテル入替の必要がないこと。これにより、患者の個別の状態と安全をさらに考慮した治療が組み立てやすくなり、多くの患者が根治を目指す治療を受けられることを期待している」としている。
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