
ファイザーは12日、既存治療で十分な効果がなかった中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療薬「ベルスピティ錠2mg」(一般名:エトラシモドL-アルギニン)を新発売した。2mgを1日1回投与。薬価は2mg1錠が4792.80円。
同薬は、過去の治療において、5-ASA製剤、ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤、JAK阻害薬などの治療を行っても疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に用いる。
この薬は、病態に影響していると言われるリンパ球が病巣に浸潤するのを阻害する新規作用のスフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体調節剤。同受容体サブタイプ1、4、5に対して選択的に活性を示すよう設計された。
潰瘍性大腸炎は、患者のおよそ半数が寛解と再燃を繰り返すタイプ。難治例では生物学的製剤やJAK阻害薬により寛解を達成できるようになってきているが、なお寛解を達成できない患者も一定数存在しており、この新薬は新たな治療選択肢となる。