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米食品医薬品局(FDA)は9月9日、BCG(カルメット・ゲラン桿菌)不応性で上皮内がん(CIS;乳頭状病変の併発の有無は問わない)を伴う筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)の成人患者を対象に、ゲムシタビン膀胱内システムであるInlexzoを承認した。Inlexzoは、膀胱内に留置されるデバイスに抗がん薬のゲムシタビン225mgを封入したもので、膀胱内挿入用カテーテルとカテーテル内に通して薬剤を挿入するためのスタイレットを用いて膀胱内に留置される。留置後、Inlexzoは3週間にわたって持続的に薬剤を放出する。この革新的なアプローチは、膀胱温存を希望する患者のために設計された。
Inlexzoは、3週間ごとに1回、最大で8回投与し、その後は12週間ごとに1回、最大6回まで投与する。治療は、高悪性度NMIBCの持続もしくは再発、病勢進行、もしくは許容できない毒性が認められるまで継続される。
今回の承認は、SunRISe-1単群非盲検第2b相臨床試験のデータに基づいている。試験では、経尿道的膀胱腫瘍切除術を受けた、BCG不応性のCISを伴うNMIBC患者83人(乳頭状病変の有無は問わない)を対象に有効性が評価された。対象者はInlexzoを、3週間に1回の間隔で6カ月間、その後は12週間に1回の間隔で最長18カ月間、膀胱内に投与された。
腫瘍の状態は、治療開始から2年間は12週間ごとに膀胱鏡検査と尿細胞診により評価し、その後は少なくとも24週間ごとに膀胱鏡検査を実施。治療開始後24週目および48週目には生検を行った。
その結果、Inlexzo投与群の82%が完全奏効を達成し(95%信頼区間72~90)、そのうちの51%の奏効持続期間は1年以上であった。
SunRISe-1試験の主任研究者である米南カリフォルニア大学のSia Daneshmand氏は、「最終的にBCGが効かなくなり、しばしば生命を左右する膀胱摘出に直面する多くの患者を診察してきた。私の経験では、Inlexzoは忍容性が高く、臨床的に意義のある結果をもたらす。これは、従来の治療法に反応しなかった適応のある患者の治療法を変えるだろう」と、ジョンソン・エンド・ジョンソン社のリリースで述べた。
なお、Inlexzoの承認はジョンソン・エンド・ジョンソン社に付与された。(HealthDay News 2025年9月11日)
Source
https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/fda-approves-inlexzo-for-bladder-cancer
More Information
https://www.fda.gov/drugs/resources-information-approved-drugs/fda-approves-gemcitabine-intravesical-system-non-muscle-invasive-bladder-cancer