TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【薬事分科会】新たな作用機序の抗癌剤を了承

2006年09月26日 (火)

 薬事・食品衛生審議会は22日に薬事分科会を開催し、審議品目だった多発性骨髄腫治療薬「ベルケイド注射用」を審議し、承認して差し支えないとの結論を得た。同剤は、プロテアソーム阻害という従来にない薬理作用を持つ薬剤のため、分科会でも審議が求められていた。また、部会で了承された18成分についても報告された。順調にいけば、医療用医薬品については1カ月程度で承認される見通しだ。

 ベルケイド注射用3mg(ヤンセン・ファーマが製造販売)の有効成分はボルテゾミブで、抗癌剤としては新規の作用機序となるプロテアソーム阻害剤。昨年4月の未承認薬使用問題検討会議において、企業に対し早急な承認申請が要請されていたもので、優先審査が行われた。

 現在、個人輸入により使用されており、間質性肺炎などの肺障害が多く見られることから、添付文書の警告欄に、▽緊急時に十分対応できる医療施設において、十分な知識と経験を持つ医師の下で投与する▽治療初期は入院環境で、医師の管理下で適切な処置を行う▽国内臨床試験で同剤との因果関係が否定できない肺障害(間質性肺炎)による死亡例が認められたことから、治療開始時に胸部X線検査や胸部CT検査等を実施する――などを記載し、医療関係者に注意を促すことにした。企業側も適正使用ガイドを医療機関へ配布するなどして、注意喚起を図る。なお承認条件として、市販後の全例調査も義務づけられている。 このほか、報告された品目は次の通り。

 ◇塩酸ロピニロール、レキップ錠0・25mg、同1mg、同2mg(グラクソ・スミスクライン):有効成分=塩酸ロピニロール、効能効果=パーキンソン病

 ◇アルチバ静注用2mg、同5mg(ヤンセンファーマ):レミフェンタニル塩酸塩、全身麻酔の導入・維持における鎮痛

 ◇ソナゾイド注射用(第一製薬):ペルフルブタン、超音波検査における肝腫瘤性病変の造影

 ◇リプレガル点滴静注用3・5mg(大日本住友製薬):アガルシダーゼアルファ(遺伝子組み換え)、ファブリー病

 ◇プレミネント錠(万有製薬):ロサルタンカリウムとヒドロクロロチアジドの配合剤、高血圧症

 ◇注射用オノアクト50(小野薬品):塩酸ランジオロール、手術後の循環動態監視下における頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置

 ◇ル・エストロジェル0・06%(資生堂):エストラジオール、更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(ホットフラッシュおよび発汗)

 ◇アレグラ錠60mg、同30mg(サノフィ・アベンティス):塩酸フェキソフェナジン、抗アレルギー薬

 ◇タケプロン静注用30mg(武田薬品):ランソプラゾール、経口投与不可能な出血を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性ストレス潰瘍及び急性胃粘膜病変

 ◇オキノーム散0・5%(塩野義製薬):オキシコドン塩酸塩水和物、中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛

 ◇アウドラザイム点滴静注液2・9mg(ジェンザイム・ジャパン):ラロニダーゼ(遺伝子組み換え)、ムコ多糖症I型

 ◇注射用アナクトC2500単位(化学及血清療法研究所):乾燥濃縮ヒト活性化プロテインC、先天性プロテインC欠乏症に起因する電撃性紫斑病

 ◇ニューモバックスNP(万有製薬):肺炎球菌ワクチン、製法変更

 ◇イトリゾール注1%(ヤンセンファーマ):イトラコナゾール、アスペルギルス属、カンジダ属等の各種真菌感染症

 ◇アドベイト注射用250、同500、同1000(バクスター):ルリオクトコグアルファ(遺伝子組み換え)、血液凝固第VIII因子製剤

 ◇ブスルフェクス点滴静注用60mg(麒麟麦酒):ブスルファン、同種造血肝細胞の前治療、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、神経芽細胞腫における自家造血幹細胞移植の前治療

 ◇アフタッチA、アフタカバー、アフタロン、アフタコートT(帝人ファーマ):トリアムシノロンアセトニド、口内炎(医療用薬のOTCスイッチ)



‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術