
左:矢冨氏、右:石橋氏
公益財団法人中谷財団は、このほど第6回長期大型研究助成の対象として九州大学生体防御医学研究所所長の大川恭行氏の研究を選んだ。同研究所内に寄附研究部門「中谷高次生命ダイナミクス研究部門」を設置し、5年間で3億円を助成する。3日には九州大学病院キャンパス第2薬局棟2階で助成の贈呈式と記者発表会を開いた。
中谷財団理事長の矢冨裕氏は、長期大型研究助成について、財団の研究助成の中で最上位に位置付けられる制度だと説明した。その上で、助成対象となった研究について「生体組織内の分子挙動を4次元で解析し、将来的にはがんや老化などに対する個別化医療や予防医療の世界標準を目指す、これまでの常識を変えるような研究だ」と評価した。
九州大学総長の石橋達朗氏は、「(研究部門の設置によって)新たな学術領域の創出や、次代を担う若手研究者の育成に大きく貢献する。研究の進展によって、疾患の発症や進行の理解が飛躍的に深まり、新たな治療法や予防法が開かれることを期待している」と述べ、研究部門設置の効果に期待を寄せた。
「中谷高次生命ダイナミクス研究部門」の部門長に就く大川恭行氏は、「このプロジェクトは個人の研究に基づくものにとどまらず、研究所として一丸となって展開する研究になる。この環境であれば若手研究者が成長していくことができる。また、企業との連携を通じて技術開発や創薬開発、あるいは技術開発や創薬開発の支援ができる」と述べ、研究の更なる展開にも意欲を示した。
中谷財団の長期大型研究助成は、「医療や人々の健康に貢献しうる独創的でイノベーティブなアプローチを行う研究」を対象に、年間最大6000万円を最長5年間助成する。前回の第5回(2024~28年度)の助成は、順天堂大学の「中谷生体空間オミクス医療解析拠点」(洲崎悦生拠点長)だった。なお、今年度の募集はない。
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