積水化学工業は17日、同社とその子会社である積水成型工業が、クオリプスが中之島未来医療国際拠点(Nakanoshima Qross)を活動拠点として形成する「次世代再生医療モダリティの開発と実用化を可能とする細胞安定供給バリューチェーンコンソーシアム(VMaCS)」に参画すると発表した。
積水化学グループはVMaCSで、細胞の安定製造や高品質化をサポートする製品・サービスを開発していく。再生医療が直面する細胞製造の自動化や大量培養といった課題に対するソリューションを創出し、研究者や他社と協力しながら、幹細胞治療の産業化を目指していく。
積水化学は、これまで培ってきた材料技術を通して、iPS細胞や間葉系間質細胞などの接着培養が必要な細胞に対し、高い接着性を有する完全化学合成の足場材「Ceglu」を開発、発売している。様々な基材や装置にコーティングを施すことで、安定した接着培養の実現2貢献できる。
さらに、精緻な微粒子製造技術とCegluを組み合わせた、新しいコンセプトのマイクロキャリアを開発している。品質にばらつきのない化学合成足場材を均一にコーティングしたマイクロキャリアの活用により、従来よりも安定的な大量培養が可能となる。
積水成型は、自社のコア技術であるブロー成形法による省スペース型3Dシングルユース滅菌バック「ステリテナープラス」を製造・販売している。また、浮遊系、接着系等の培養プロセスでの閉鎖系送液における、コネクタ、チューブアッセンブリー等の流路開発を含めた製品展開をしている。
これらの製品を用いると、培養容器と一体となった流路デバイスの構築が可能となり、細胞大量製造システムの確立、自動化・効率化が図れる。
クオリプスが推進するVMaCSは、「来るべく細胞大量製造ニーズに応え、日本の産業力および国際競争力の強化をもってグローバルシェアの獲得を実現し、治療を受けたい患者さんと提供したい医師へこれまでにない新しい次世代治療技術としての選択肢を提供すること」を目的としている。
中之島未来医療国際拠点を活動の場とし、細胞大量培養システムに係る技術、ノウハウ、知見を呼び込み、そのバリューチェーン構築を促進するオープンイノベーションを強力に推進している。
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