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【2026年年頭所感】官民一体で日本を魅力ある市場へ‐日薬連会長

2026年01月07日 (水)

日本製薬団体連合会会長 安川健司

安川健司氏

 昨年は日本の医薬品産業を取り巻く環境が急激に変化した1年でした。ドラッグラグ・ロスの解消や日本の医薬品産業の国際競争力強化に向け、「創薬力向上のための官民協議会」が開催、また10月に誕生した高市政権のもとで日本成長戦略本部が設置され、17の戦略分野の中に「創薬・先端医療」が明確に位置づけられるなど、創薬力強化への機運は着実に高まりました。一方で、海外情勢の変化や関税、最恵国待遇政策といった米国政策の影響、日本の物価上昇や経済安全保障リスクなどは医薬品産業にとって大きな脅威となっています。

 昨年の「骨太の方針2025」では、医療・介護・福祉等の経営安定と賃上げを後押しする方針が打ち出されました。医薬品業界としても物価・賃金上昇分として約5%の薬価のベースアップと、その状況を反映した薬価改定の仕組みやシンプルで分かりやすい薬価制度構築を様々なステークホルダーに訴えてきましたが、その要望は実現されず今後も継続した議論が必要と考えています。一方で、研究開発税制やセルフメディケーション税制については各団体からも積極的な働きかけをいただき、業界の要望が実を結びました。

 医薬品産業は日本の基幹産業として国民の命と健康を支える国家のインフラであり、原薬・原材料の生産体制を含むサプライチェーン強化など危機管理・安全保障を支える上で不可欠な産業です。また、高品質な医薬品の安定供給と革新的な新薬への迅速なアクセスを確保し、国民の健康に寄与するという使命を果たすには、継続的な投資を可能にする魅力ある市場とイノベーションが正当に評価される制度的な土壌があることが前提となります。

 世界の製薬企業が日本を重要な市場と認識しない限り、新薬による国民のアンメットメディカルニーズは満たされず、結果的に世界の最先端医療を享受できないという状況になりかねません。今こそ従来の枠組みにとらわれない大胆な発想で官民一体となって制度改革を進め、日本を魅力ある市場とすることで、未来の医療と国の持続的な成長を共に支える体制を築くことが重要だと考えています。

 このような制度改革を着実に進めるためには、業界の取り組みに加え、国民の理解と共感が不可欠です。社会保障制度の持続可能性という共通の課題について幅広いステークホルダーと共に理解を深め、建設的な議論が進むよう引き続きアドボカシー活動を通じた情報発信と対話に努めていきます。



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