日本OTC医薬品協会会長 上原茂
わが国の医療の提供体制は、国民皆保険制度のもとで、安心して医療にかかる環境が整えられてきました。一方、制度を持続可能なものとするために、政府において保険給付と負担の見直しなど社会保障の全体像についての本格的な議論が始まり、新たな局面を迎えようとしております。
「骨太の方針2025」にもセルフケア・セルフメディケーションの促進が明記され、今後ますますセルフケア・セルフメディケーションが果たす役割が重要になってきます。
昨年、厚生労働省においては「セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会」が本格的に始動し、セルフメディケーション税制の恒久化や対象範囲拡大に向けた議論が進展しました。さらに2026年度税制改正大綱では、業界が長年要望してきたセルフメディケーション税制の恒久化(期限撤廃)や対象範囲の拡充が盛り込まれるなど、制度の具体的な前進が示されました。こうした動きは、生活者の健康意識の高まりと相まって、OTC医薬品・検査薬の社会的役割を一層強めるものとなりました。
当協会では、25年に策定した「Statement2030」を指針に、セルフメディケーションDXの推進や環境整備を進めてきました。
さらに、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会OTC医薬品分科会との連携や、スイッチOTCワーキンググループでの制度設計の進捗など、ステークホルダーとの協働が一層強化された年でもありました。
また、生活者のヘルスリテラシー向上を目的とした症状毎の対処情報集の作成や、慢性疾患領域におけるOTC医薬品活用の可能性検討など、セルフメディケーションの実践を支える基盤づくりにも注力しました。これらの活動を通じ、OTC医薬品業界が生活者の視点に立ち、社会課題の解決に貢献する姿勢を一層明確にしてきたと考えています。
本年は、[1]OTC医薬品・検査薬の普及[2]セルフメディケーション税制の利便性向上[3]セルフメディケーションに関するDXの促進[4]OTC医薬品の品質・信頼性向上――の四つの重点活動項目に取り組んでいきます。
セルフメディケーション税制については、申告支援等利便性向上による利用者数の増加を目指します。引き続き、関係団体やステークホルダーの皆様との連携を深めながら、協会活動を推進していきます。




















