島津製作所は8月25日、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「Shimadzu Future Innovation Fund」(Shimadzu FIF)を通じ、OptQCに出資したと発表した。島津は長年、分光光度計をはじめとする分析計測機器やレーザー光源の開発を手掛けてきている。2025年3月には世界で初めてストロンチウム光格子時計「Aetherclock OC020」を発売するなど、光関連技術の知見を培っています。今回の出資は、量子技術分野への同社初の出資となる。
OptQCは、「光量子コンピュータ」を開発する東京大学発のスタートアップ企業。東大院工学系研究科の古澤明教授らが確立した「光方式」の量子コンピュータである「光量子コンピュータ」を開発している。
特長は、計算に用いる「量子ビット」を増やしても装置が巨大化しない点が挙げられる。また、極低温の冷却が必要な超伝導方式などとは異なり、光方式は常温・常圧で稼働するため、消費エネルギーを抑えられる。
OptQCの「光量子コンピュータ」は25年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに採択され、今年7月には産業技術総合研究所に初号機が設置されている。
今回の島津の投資は、NTTをリード投資家に事業会社、独立系ベンチャーキャピタル、公的機関系21者が参加する第三者割当増資で、総額70億円の資金調達(シーリーズA2)の一環となる。今年1月のシードラウンド(6.5億円)、同年10月のシリーズA1ラウンド(15億円)と合わせ、OptQCの累計調達額は91.5億円となった。また、獲得済の補助金を含めると、累計調達額は200億円を超えている。
通信・エレクトロニクス・航空・精密機器・金融・不動産などを代表する事業会社が同ラウンドに参加した背景には、光量子コンピュータが特定分野に閉じた研究テーマではなく、素材開発・製薬・金融工学・物流最適化など幅広い産業で応用が見込まれる次世代コンピューティング基盤として期待されていることが挙げられる。今後、各社が持つ知見や実証フィールドを活かした事業連携の可能性について、順次協議を進めていく。
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