花王ヒューマンヘルスケア研究所は10月20日、島津製作所との共同研究から、歯垢がつきやすい人は、舌の表面に付着する汚れ「舌苔」の量が多く、さらに舌苔中に細菌の栄養となりうるアミノ酸も多いことを見出した。これは、歯に細菌が増殖しやすくなり、歯垢が増えやすくなっている可能性が示唆するものだった。この成果は、歯垢の蓄積を防ぐには、歯だけでなく、舌を含む口内全体のケアも大切という新たな視点を示すものとなった。
近年、分析技術の進展によって、多面的に口内環境を捉える研究が進んでいる。そこで花王は、「歯垢のつきやすさ」の要因を明らかにするため、分析技術に強みを持つ島津製作所と共同で、細菌・代謝物・生理学的因子に着目した網羅的解析を行った。
花王は、「歯垢のつきやすさ」に関わる要因を探るため昨年6~8月、健常な男女40人を対象に試験を実施した。歯垢を除去した後、飲食物を統一した上で、2日間ブラッシングなどの口腔清掃を停止し、歯垢・舌苔・唾液の量だけでなく、島津製作所と共同で、歯垢・舌苔について細菌バランス(細菌の種類と存在割合)や代謝物などを網羅的に解析。
検出できた合計1000を超える成分・菌種について、2日後に蓄積した歯垢量の多かった15人を「歯垢がつきやすい群」、少なかった15人を「歯垢がつきにくい群」とし、比較した。
その結果、歯垢がつきやすい群では、歯垢がつきにくい群と比べて、舌苔量が約1.2倍であり、さらに、同量の舌苔中の細菌の栄養となりうる成分にも違いが認められました。その一例として、アスパラギン酸は約1.8倍だったことが分かった。
試験中の2日間は両群で飲食物を統一していることから、舌苔中に認められた細菌の栄養となりうる成分の内、アミノ酸が歯垢のつきやすさに関与している可能性が考えられた。
さらに、歯垢のつきやすさと舌苔の関係を調べるため、2群の30人について舌苔から得られた500を超える細菌種・代謝物などのデータを用いて統計解析を行った。その結果、初期の舌苔量が多いと2日後の歯垢が増えることが推定された。
花王は今後、歯だけでなく舌を含む「口内全体のケア」に着目した新たなオーラルケアの研究・提案を進め、生活者が生涯にわたって健康で快適な口内を維持できるよう貢献していく。
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