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臨床検査業務で初の産学連携‐筑波大と三菱化学メディエンスが事業契約

2009年09月09日 (水)
調印式で握手する五十嵐筑波大病院長(右)と吉富三菱化学メディエンス社長

調印式で握手する五十嵐筑波大病院長(右)と吉富三菱化学メディエンス社長

 筑波大学と三菱化学メディエンスは7日、筑波大学附属病院の検査部機能を発展させ、地域医療に活用する「つくば臨床検査教育・研究センター事業」に関する契約を締結した。臨床検査に特化した産学連携としては初めての試みで、院内検査部のノウハウを活用することで地域医療への貢献を目指す。同大の敷地内に最新鋭のラボと研修施設を設置し、臨床検査技師の教育研修と研究支援を一体的に行う方針だ。事業は約120億円を投じ、2011年から20年計画で実施される。

 筑波大学病院は、民間資金を活用したPFI方式による再整備計画を進めているが、臨床検査部門に関しては、PFI方式から独立した運営方針を決定。1月から事業者の公募を行い、三菱化学メディエンスと事業契約を締結することになった。

 センター事業は、筑波大学病院の高度な検査機能を地域に活用すると共に、臨床検査技師の生涯教育、研究支援を行うのが目的。院内検査部の業務委託で事業縮小するブランチラボではなく、国立大学病院と民間企業のノウハウを結集する、産学連携モデルとして展開するのが大きな特徴だ。

 7日に筑波大学で行われた調印式で、筑波大学病院の五十嵐徹也院長は「敢えて臨床検査の機能をPFI事業から外し、産学連携・地域連携型アウトソーシングとでも呼ぶべき事業形態を取ることによって、PFIの契約に縛られない自由な発展、成長が期待できる」と意義を強調。「大学本来の役割である教育、研究によって、広いオプションを提供することで、地域への貢献を果たしたい」と語った。

 三菱化学メディエンスの吉富敏彦社長は、「これまで、大学病院の高度な検査技術が外部に活用されることはなかった」と指摘。「今回の事業で、地域のクリニックの検体も、大学病院並みに検査を行うことができる。われわれの使命は、大学のアカデミックな研究、教育を地域に広げていくことであり、地域連携の出口の役割を担っていきたい」と述べた。

 今後、筑波大学の敷地内に、臨床検査業務と教育研修を行う検体検査ラボを設置し、センターが附属病院や地域の医療機関から、免疫検査、生化学検査、血液検査などの検体検査業務を受託する計画だ。

 一方、院内検査部では、遺伝子検査、感染症検査、先端医療に関わる検査など、高度な臨床検査業務を担うと共に、センターの技術支援、教育支援を行う。センターの運営は、新たに設立するNPO法人が手がけることになる。



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