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【厚労省】癌対策めぐり意見交換‐腫瘍内科医不足を憂慮

2006年11月21日 (火)

 厚生労働省は20日、省内で「がん対策の推進に関する意見交換会」の初会合を開催した。今後の癌対策の参考とするため、癌患者やその家族、遺族、癌医療従事者、有識者で意見を交換し、幅広い観点から課題を抽出するのが狙い。初会合では座長に垣添忠生氏(国立がんセンター総長)を選出すると共に、10人の委員からヒアリングを行った。

 現在、日本人の約3人に1人は癌で死亡している。そこで癌対策の一層の推進を図る観点から、健康局長の主宰による意見交換会を開催することにしたもの。

冒頭あいさつに立った外口崇健康局長は、意見交換会の主旨を説明すると同時に、来年4月には「がん対策基本法」が施行されることから、意見交換会の議論を参考しながら、癌対策に取り組んでいくとの考えを述べた。

 この日は厚労省が癌対策の現状を報告し、引き続いて各委員から意見を聴取した。

 大江裕一郎氏(日本臨床腫瘍学会理事、国立がんセンター中央病院医長)は、癌対策を推進する立場から意見を述べた。大江氏は腫瘍内科医が不足し、抗癌剤治療も外科医が実施している現状を踏まえ、手術専門の“腫瘍外科専門医”と薬物療法専門の“癌薬物療法専門医”に分けた方が、治療成績やQOLが向上するとの考えを示したほか、癌診療拠点病院の整備・充実も不可欠と訴えた。

 さらに抗癌剤の臨床試験を進めるには、CRCの増員・定員化や研究者による臨床試験の推進が必要だとしたが、とりわけ生物統計家が非常に不足している現状を指摘し、これらの養成に積極的に取り組むべきと主張した。

 また垣添氏は、今後の癌対策の方向性に言及。▽癌検診の受診率向上と精度管理の推進を目指した施策▽医療機関の連携体制構築と必要な人材の育成▽癌患者や家族に対する総合的癌対策の実施▽革新的技術を応用した癌研究の推進と成果の臨床応用――などを課題として挙げ、国民本位の癌対策を推進する必要があると語った。

 意見交換会は12月にも13日と20日の2回行う予定で、患者会や学会等から意見を聞くことにしている。



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