東京都は、ダイエット目的の処方薬で個人輸入されていることが疑われる、タイ製の「MDクリニックダイエット」と称される製品から、シブトラミンなどの医薬品成分6種類を検出したと発表した。この製品を使用していた都内在住の女性は9日に死亡しているが、死亡原因と製品の関係は不明。都では、ホームページに製品の写真を掲載するなどし、都民に注意喚起を行った。
MDクリニックダイエットは、ホスピタルダイエットとも呼ばれる、海外の病院が処方したやせ薬。主に個人輸入により販売されており、インターネット等での購入が可能だ。今回対象となったのは、カプセル3種類と錠剤4種類が組み合わされたもの。死亡した女性は、知人から入手していた。
検出された医薬品成分は、▽シブトラミン▽フルオキセチン▽フロセミド▽甲状腺末▽ビサコジル▽クロルフェニラミン--の6成分で、シブトラミンとフルオキセチンは国内では未承認。
シブトラミンは肥満症治療薬で、血圧上昇や心拍数増加、頭痛などの副作用がある。フルオキセチンは抗うつ薬で、副作用として倦怠感や頭痛、めまいなどが挙げられている。
都では、類似した名称の商品や、個人輸入した製品の中には危険な成分が含まれている可能性があり、安易に使用しないよう、都民に呼びかけている。
また厚労省でも、“ホスピタルダイエット”と称される製品で、複数の都道府県から健康被害の事例が公表されていることを受け、安易に服用しないよう注意を喚起している。製品の中には、向精神薬が含有されている場合があり、そのような製品についてはインターネット等による個人輸入でも、「麻薬及び向精神薬取締法」で禁じられているとしている。