塩野義製薬は16日、米子会社のサイエルが米医薬品開発ベンチャーのアドレネックスを買収することで合意したと発表した。アドレネックスは、アドレナリン作動性疾患に対する治療薬の開発に特化したベンチャー企業で、買収は米国における新薬開発強化を目的としたもの。
アドレネックス発行済み株式のうち、サイエル保有分を除いた株式を、総額約2900万ドル(約26億1000万円)の現金で買収する。
サイエルは2年以上にわたってアドレネックスとパートナー関係を構築しており、既にアドレネックスから注意欠陥多動性障害治療薬と高血圧治療薬(クロニジンの1日1回投与製剤)、高血圧及び血管運動性症状治療薬の3製品を導入。現在、これら製品の開発を推進しており、注意欠陥多動性障害治療薬については、10月にFDAに承認申請も行っている。
今回の買収によってサイエルは、アドレネックスが所有する中期ステージの二つの開発品と、疼痛治療や循環器、皮膚科領域を含む、多くの疾患領域をターゲットとした化合物ライブラリーを獲得した。
サイエルのパトリック・フォーチュー社長(CEO)は、「アドレネックスは、非常に素晴らしい開発基盤に加え、サイエルの製品ポートフォリオを一層拡大させるポテンシャルを持つ複数の開発品を有している」とコメントしている。