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【厚労省】新薬12成分を薬価収載

2009年12月07日 (月)

 厚生労働省は、新医薬品12成分23品目を11日付で薬価収載する。内訳は内用薬5成分12品目、注射薬4成分7品目、外用薬3成分4品目。4日の中央社会保険医療協議会総会で、薬価算定組織の報告が了承された。高尿酸血症治療薬「ラスリテック」、抗菌薬「バンコマイシン眼軟膏」、血友病治療薬「ベネフィクス」が、他に類似薬がないため原価計算方式で算定された。また、癌化学療法に伴う嘔吐治療薬「イメンドカプセル」に有用性加算II(加算率25%)が、2型糖尿病治療薬「ジャヌビア」に有効性加算II(10%)が適用された。さらに、ドラッグラグ問題への関心の高まりを受け、今回から医薬品が最初に承認された国と年月が記載されることとなった。

 アドシルカ錠20mg(日本イーライリリー):タダラフィルを有効成分とし、肺動脈性肺高血圧症に用いる。類似薬効比較方式Iで算定。企業が予測する投与患者数と販売金額は、初年度が300人で1億円、ピーク時の5年目が2700人で27億7000万円。2009年5月に米国で最初に承認された。

 アサコール錠400mg(ゼリア新薬):メサラジンを有効成分とし、重症を除く潰瘍性大腸炎に用いる。類似薬効比較方式Iで算定。初年度が2100人で3億3000万円、ピーク時の6年目が3万8600人で80億6000万円。84年11月にスイスで承認された。

 イメンドカプセル80mg同カプセル125mg同カプセルセット(小野薬品):アプレピタントを有効成分とし、シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定。同剤は、新規の作用機序を有しており、既存薬では効果不十分な遅発期の悪心、嘔吐に対する有効性が認められているため、有用性加算II(加算率25%)の適用となった。

 初年度が1万3000人で1億5000万円、ピーク時の8年目が12万8000人で15億円。03年3月に米国で承認された。

 ジャヌビア錠25mg同錠50mg同錠100mg(万有製薬)、グラクティブ錠25mg、同錠50mg、同錠100mg(小野薬品):シタグリプチンリン酸塩水和物を有効成分とし、2型糖尿病を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定。企業側は有用性加算II(15%)の適用を求めたが、体重増加の抑制効果を認めつつも、肝機能障害や骨折リスクの低減について、客観的なデータがないため、10%の有用性加算と判断した。

 初年度が4万2000人で5億3000万円、ピーク時の10年目が82万人で431億円。06年8月にメキシコで承認された。

 オゼックス細粒小児用15%(富山化学):トスフロキサシントシル酸塩水和物を有効成分とし、トスフロキサシンに感性の肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、コレラ菌、インフルエンザ菌を適応菌種とし、肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定。

 初年度が2万4000人で1億1000万円、ピーク時の5年目が30万7000人で14億3000万円。日本での承認が初。

 ラスリテック点滴静注用1・5mg同7・5mg(サノフィ・アベンティス):ラスブリカーゼ(遺伝子組み換え)を有効成分とし、癌化学療法に伴う高尿酸血症を効能・効果とする。原価計算方式で算定。営業利益率は21・1%が適用された。

 同剤は新規の作用機序だが、腫瘍崩壊症候群に伴う急性腎不全の発症抑制効果の点で、既存のアロプリノールと比べた場合の差異が明確でないことなどから、限定的な評価となった。

 初年度が680人で2億2000万円、ピーク時の10年目が2840人で10億3000万円。01年2月にドイツなどで承認された。

日本で初承認は5成分

 ミリプラ動注用70mg(大日本住友製薬):ミリプラチン水和物を有効成分とし、肝細胞癌におけるリピオドリゼーションを効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定。

 初年度が300人で3000万円、ピーク時の7年目が6500人で16億1000万円。日本での承認が初。

 ミリプラ用懸濁用液4mL(大日本住友製薬):ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルを有効成分とし、ミリプラ動注用70mgの懸濁用に用いる。類似薬効比較方式Iで算定。

 初年度が300人で20万円、ピーク時の7年目が6500人で1210万円。日本での承認が初。

 ベネフィクス静注用250同500同1000同2000(ワイス):ノナコグアルファ(遺伝子組み換え)を有効成分とし、血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者の出血傾向の抑制に用いる。原価計算方式で算定。営業利益率は19・2%が適用された。

 初年度が183人で5億1000円、ピーク時の5年目が655人で20億3000円。97年2月に米国で承認された。

 エリザスカプセル外用400μg(日本新薬):デキサメタゾンシペシル酸エステルを有効成分とし、アレルギー性鼻炎を効能・効果とする。類似薬効比較方式IIで算定。

 初年度が2万6000人で1億円、ピーク時の10年目が70万8000人で38億5000万円。日本での承認が初。

 シムビコートタービュヘイラー30吸入同60吸入(アストラゼネカ):ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物を有効成分とし、気管支喘息(吸入ステロイド剤および長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定。

 初年度が4万9000人で5億6000万円、ピーク時の9年目が99万5000人で291億6000万円。00年8月にスウェーデンで承認された。

 バンコマイシン眼軟膏1%(東亜薬品):バンコマイシン塩酸塩を有効成分とし、バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)を適応菌種とし、結膜炎、眼瞼炎、瞼板腺炎、涙嚢炎を効能・効果とする。原価計算方式で算定。

 同剤は、院内で注射剤から調製されていた眼軟膏を製剤化したもので、革新性が高いとはいえないことから、営業利益率は18・2%が適用された。

 初年度が900人で2300万円、ピーク時の5年目が4300人で1億0800万円。日本での承認が初。

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