政府は15日、2009年度第2次補正予算案を閣議決定した。厚生労働省分では、国産ワクチンの生産能力向上など、新型インフルエンザの対策強化費用として1173億円を計上。高齢者医療制度の負担軽減措置を継続するための経費5736億円を盛り込んだ。文部科学省関連予算では、iPS細胞を用いた難病研究を促進するための基盤整備に7億円を充てる。
厚労省予算は5684億円。緊急経済対策関連は1兆2906円で、このうち生活の安心確保分野に6914億円を割り当て、▽新型インフルエンザ対策の強化▽高齢者医療制度の負担軽減策――などに取り組む。
新型インフル対策では、細胞培養法を開発し、現行の鶏卵培養法だと1年半から2年かかる全国民分の新型ワクチンを、半年程度で生産できる体制を構築するための費用950億円を計上した。また、低所得者に対するワクチン接種費用の助成に207億円、医療機関で新型インフル患者を受け入れる際に必要な設備(人工呼吸器など)の整備費16億円を盛り込んだ。
高齢者医療制度の負担軽減策では、凍結していた70~74歳の患者負担割合の引き上げ(1割から2割)などの措置凍結を、来年度も引き続き継続するための経費として2902億円を充てた。
文科省予算では、7億円を計上してiPS細胞を再生医療や臨床研究に迅速に利用できるよう、数種類の細胞を保管する「iPS細胞バンク」の構築に取り組む。
このほか、救急医療を行うために必要な、最先端医療機器を国立大学付属病院に整備するための経費82億円、医学部定員増に伴う教育環境の整備費24億円を盛り込んだ。