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【日本医療機能評価機構】7~9月の薬剤関連医療事故は33件

2009年12月21日 (月)

 日本医療機能評価機構は、「医療事故情報収集等事業」の第19回報告書を公表した。今年の7~9月に報告された医療事故と、4~6月に発生したヒヤリ・ハット事例をまとめたもの。医療事故は507件が報告され、医療機関が発生の主要因を薬剤と判断した事例は33件(全体比5・3%)だった。一方、ヒヤリ・ハット事例は6万5046件発生しており、処方や与薬、調剤に関連するものが1万7697件(同27・2%)と、全体の約4分の1を占めた。

 期間中、医療事故については138施設から、ヒヤリ・ハット事例については228施設からそれぞれ報告があった。

 薬剤関連33件の発生要因(複数回答)を見ると、「確認を怠った」が29件と最多で、「知識不足」11件、「連携ができていなかった」9件が続く。発生場所としては、「病室」の20件が圧倒的に多く、その他、▽手術室▽ICU▽NICU--が、2件ずつだった。

 医療事故の当事者(複数回答)は、従来と同様に「看護師」と「医師」が多く、看護師は351件、医師は246件に関与していた。薬剤師が当事者となった事例は7件にとどまっている。

 また、医療事故場面で、薬剤が何らかの形で関与したとされる事例は82件で、最も多かったのは前回に引き続き「内服」の20件だった。ほかに、「末梢静脈注射」の17件、「静脈注射」の16件が目立つ。静脈注射については、死亡事例が1件発生している。

 一方、ヒヤリ・ハットでは、依然として薬剤に関連した事例が多く発生している。

 内訳を見ると、「処方・与薬」が1万3902件(全体比21・4%)、「調剤・製造管理等」が2038件(同3・1%)、「与薬準備」が1757件(同2・7%)となっており、相変わらず処方や与薬での発生率が高い。

 その発生要因も医療事故と同様に、「確認の不足」が突出しているほか、「慌てていた」や「思い込んでいた」などが目立っていた。

 当事者としては看護師が最多で、5万3114件に関わっていた。次いで医師が3177件、薬剤師も1901件と3番目に多い。

 報告書ではまた、医療事故情報の分析作業を行っている。薬剤関係では、薬剤師がブリプラチン注を注入した生理食塩液250mLボトルと、5-FUを注入した生理食塩液500mLソフトバックのラベルを、逆に貼り付けた結果、5-FUの点滴速度でブリプラチンを患者に滴下した事例などが取り上げられた。報告書ではこの事例について、無菌調整業務とラベル貼布業務が別の工程になっていたことが原因と分析しており、今後は両業務を同一工程にするよう指摘している。



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